教務力向上今さら誰にも聞けない!!コーチングの基礎その2 ~ コーチングを始めるために ~

「コーチングを学びたい」「実践して日々の業務に活かしたい!」
そんな先生方に向けて、コーチングの基礎・基本を2回にわたりお送りしていきます。
 
「その2」では、前回の振り返りをした後、実際に相談者への働きかけとなる「傾聴」や「問いかけ」のポイントについてご紹介していきます。コーチングに関する大枠の知識や全体像を把握し、実践に向けての土台づくりに、ぜひご覧ください。 

1.「その1」を振り返って ― 問題の答えはどこにあるか 

「その1」で述べてきたように、コーチングにおいてその問題の答えは、すでに相談者の中にあると考えます。それを行動に移す力を与えることがコーチの仕事です。コーチは、相談者の思いを形に変えるための献身的なパートナーという立ち位置ですが、正解を与える存在ではない、という点が、まず大きなポイントでした。
 
一般的に、誰の心にもこうなりたいという思いがあり、たとえ、自己否定の蓑の中に隠れようとも、何かをしようとする気持ちは必ずどこかにあるものです。しかし、実際には何かをするまでには至らないことからも、「何かをしよう」と「何かをする」の間には思った以上に大きな溝があることがわかります。
 
「何かをしよう」と思うことは誰にでもできることであり、それほどのエネルギーは必要ありません。
ところが、「何かをする」段階になると、たとえそれがどれほど小さなことであっても、比較にならないほどのエネルギーが必要になります。状況を変えるための決断、つまり自分を変えていくためには、大きな弾みのエネルギーが必要になってくるのです。
 
ここでもう一つのポイントして、「ああ、そうだ」という気づき・納得こそが、そのエネルギーの源になる、とは前回記事にあった通りです。
コーチは、質問により、相談者が自らの内面を探求し、気づきに到達する援助をしていく。そのために、相談者にとって必要なことは何か、相談者に対してどのような働きかけが必要かを、本記事ではご紹介していきます。 

2. 問いかけ、気づき、行動、学びのサイクル



「何かをする」ということは新しい経験です。人は新しい経験から必ず何かを学び、そこで学んだことは他人から押し付けられたものではなく、自ら生み出したものです。それだけに、相談者にとって、大変意味のあるものになります。
 
ただ、ここで大切なことは、行動の結果の良し悪しがそれほど意味を持たないということです。
良い結果は、相談者の心の中に自信を作り、さらなる内省と行動への力となります。また、失敗した場合でも、コーチとの会話の中から、次の行動へのヒントを見つけだすことができます。
いずれにしろ、自らの行動を通して学んだことは、次の行動への糧となるのです。
 
コーチは常に、相談者の思いが実現できるように全体像を把握し、目標達成へのラインから相談者がはずれないように配慮していきます。
 
そのための傾聴、質問、気づきのエネルギー、行動、そして学ぶという一連のサイクルがコーチングの中心にあり、コーチは、このサイクルを相談者の生活全体を念頭に置き、無理なく行えるように工夫していく必要があります。

2-1.傾聴

ここまで、コーチングとはどのようなものであるか、そしてその中心となる仕組みについて述べてきましたが、ここからは相談者への具体的な対応について考えていきます。
 
まず、何よりも重要なこととして、相談者の話を丁寧に聞くことがあげられます。そして、相談者の話を聞くうえで大切になってくるのが、「受容」のスタンスです。つまり、相談者の言葉をそのまま受け入れ、批判を交えずに聞く心がけが必要になってきます。
 
コーチングをしていると、相談者の話を聞いているうちに、つい自分のことも話したくなることがあります。しかし、相談者の話に触発され、自分の判断を押し付けたくなる誘惑には勝たなくてはなりません。あくまで基本は、丁寧に聞き進めることであり、コーチングにおける「聞く」という作業は、ある意味でとても能動的な行為とも言えます。
 
相談者との関係で最も大切な信頼は、この無批判な「受容」から生まれます。自分の思いを人に聞いてもらう機会というのは、思ったほどあるわけでなく、相談者は安心して自ら話をしていく過程で、改めて色々と考えるようになります。それが、相談者の気づきへの、そして行動に結びつく答えへの導線となっていくのです。

2-2.問いかけが生まれる

次に、話を聞いていく中で、相談者の話が本来の思いの達成から逸れていくことがあります。そのような時は、もちろんそのことを指摘し元に戻さなければなりません。しかし、最初の段階では、時間の許す限り、できるだけ多くを語ってもらうことが良いと考えます。
 
コーチングの中で相談者によって語られる言葉は、他人や辞書の中にある言葉ではありません。相談者の今までの生活の中で育まれてきたものです。
 
もちろん、相談者の過去を含めた生活全体を知ることは不可能であっても、話を聞いているうちに、その言葉の端々から、また、表情、アクション、声のピッチや大きさから、直感的にその背景を感じ取れることがあります。
 
丁寧に聞くこと、そして、話している相談者の全体を意識しながら、相談者の言葉の本当の意味をコーチ自身が翻訳し理解していくこと。そして、その過程の中からこそ、次への質問や道筋を示す有益な情報が得られるはずです。

3.傾聴や問いかけはあくまで手段、相談者により千差万別 



コーチングは、人の思いを現実のものにしていくサポートです。その中には、命令も、否定も、第三者の解答も、脅しもありません。相談者の本来備えている力を信頼し、問いかけによって、相談者の中に気づきというアクティブなエネルギーを生み出すことを目的とします。
 
よくコーチングは、技術、テクニックであると考える方もおり、確かに一面的にはそういえるかもしれません。しかし、それには、決まった形式や型というものがある訳ではなく、相談者とコーチは、目標に向かって臨機応変に息を合わせていくことが何よりも重要です。 

4.コーチングの実践に向けて

ここまで本文中では、コーチングの対象を「相談者」と呼んできました。また、その相談者の思いの実現をサポートすることがコーチングだと述べてきたこともあり、どこかで大人のための考え方だと思われたかもしれません。
 
しかし、実際には幼い子どもたちにもコーチングは可能です。子どもの成長は置かれた環境によって様々ですが、勤勉にものごとに取り組む時に充実感を感じ、周囲の評価を誇しく思える時期、たとえば、小学校低学年くらいからでもコーチングを応用することはできるのです。
 
もちろん、それは自己実現というレベルのものではありません。
そこでは、子どもそれぞれの発達段階に応じて、内面を充実させ、能動的にものごとに取り組めるようにしてあげることがコーチングの目的になります。
 
コーチングの基本は、「内面を変化させ、行動につなげる」ことです。その基本を守れば、様々な対象に応用できる考え方がコーチングなのです。



ここまで、コーチングの土台となる前提知識や一部実践(傾聴、問いかけ)について、総論という形で解説してきました。
多様な解釈のあるコーチングの中でも、実践に向けて土台や軸となる考え方のコアをインプットしていただけたかと思います。
 
ただ話を聞けばいい、相手の背中を押してあげればいい、ということではなく、それらを行う上でのスタンスや背景、どこまで関わってあげることが理想なのかについて、ぜひ押さえていただければと思います。

もちろん、そこからより具体的に実践法を学ぶ際のコンテンツは、当サイトに掲載しておりますし、そうした情報を活用していただきながら、さらに知識・実践への理解を深めてみてください!
 
(Find!アクティブラーナー編集部)

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