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アクティブティーチャーの挑戦 第十八回(月刊高校教育9月号掲載)

学事出版『月刊高校教育』にてFind!アクティブラーナーの連載がスタート!
こちらでは冊子の記事をWEB版として公開しております。

アクティブティーチャーの挑戦 第十八回(月刊高校教育9月号)

福岡工業大学附属城東高等学校
岡田亮先生(教員研修部)

「教員研修の充実について」

≪福岡工業大学附属城東高等学校について≫

本校は、福岡市東区にある私立学校です。1958年に福岡電波高等学校として開学したのち、1974年に福岡工業大学附属高等学校となり、2001年に現在の校名である福岡工業大学附属城東高等学校になりました。2001年の城東高校への校名変更とともに改革がスタートし、現在に至ります。

本校の校風の1つに「一人ひとりを育む、きめ細やかな教育」があります。具体的には「常に生徒と共に」を掲げ、「Contact with」をモットーに、「生徒と共に教師がいる」という環境を常につくっています。近年は、ICT環境が整備され、子どもたちとのよりスピーディーなコミュニケーションが可能になりました。授業動画の配信など、オンラインでの学習支援も行い、生徒一人ひとりが必要とする学習を実践するための体制を整えています。

また、「指導力を高める教職員体制」を掲げ、生徒一人ひとりと向き合う指導を心がけています。教員に対してはさまざまな校内研修のほか、各教科内での授業見学会などを行い、指導力を強化しています。また、「総合的な探究の時間」などには外部講師を招き、教育の充実を図っています。

本校の卒業生では、柔道家の谷亮子さん、政治家の松井一郎さん、タレントのなかやまきんに君さんが有名です。その他、多くのプロ野球選手も輩出しています。2021年の東京オリンピックでは、野球で梅野隆太郎選手(阪神タイガース正捕手)が金メダリストになりました。
 

≪教員研修について≫

○教員研修部の役割について

私は教員研修部の責任者に2年前に就任しました。本校では、2001年の城東高校への校名変更の時から「教育は、不完全な者が不完全な者に関わる営みである」との意識のもとで、教員研修を充実させることになりました。教育者として生徒の心に一石を投じ、「生き方の模範」「憧れ」となるべきとの意識で、教員が日々研鑽に励むよう啓発するのが教員研修部の役割の一つです。

また、年度初めの、「新規採用者研修」、「担任研修」の企画運営、さらに年間を通して行われる「新任者研修(本校赴任1年目対象)」、「自主研修(希望者対象)」、「職員研修(全教員対象)」、『「教師の日」研修会』の企画運営も教員研修部の役割です。

しかし、コロナ禍の影響もあり、研修も「個別最適化」が必要だという方針のもと、2020年度からFind!アクティブラーナーと契約を行い、個人のタイミングで各々に必要な研修が出来るようなシステムを整えました。

それに加え、今年度から、20・30・40・50代それぞれ1名ずつをメンバーに揃え、研修のチームもできました。全員がその世代のキーパーソンなので、学校には本当に感謝しています。

今年度から自分自身の「作業ではなく、仕事をする」という課題克服も兼ねて、Find!アクティブラーナーと協力して新たに研修を刷新しました。まずは「新任者研修」は年間を通して月に1回行う集合型の研修でしたが、月1回動画を視聴してレポートを提出する課題型の研修としました。また、ホームルームファシリテーター研修(HRF研修、いわゆる担任研修)、ミドルリーダー研修(ML研修)を新たに創設し、対象者を希望者としました。内容は同じく月1回の動画視聴後にレポートを提出する研修です。

教員研修部メンバー
教員研修部メンバー


○校内研修の年間計画について

今年度の本校の年間計画は以下の通りです。

(1)新任者研修(本校赴任1年目対象)
本校の教育方針を理解すると共に、教員としての意識と実践力を向上させる。

(2)ホームルームファシリテーター研修(希望者対象)
ホームルーム担任としての資質・能力を高める。

(3)ミドルリーダー研修(基本教員経験10年以上20年以下で担任として卒業生を出した経験のある先生を対象。希望者としているので、対象外の先生も参加している)
今後本校の陣頭指揮をとるリーダーを育成する。

(4)教員研修(教員全員対象)
年間5回、今日的教育課題や諸課題について研修する。

(5)校外研修(希望者対象)
校外の研修や外部講師からの研修を通して、視野を広げて見識を深める。

(6)自主研修(希望者対象)
自主参加。ディスカッション等を通じて、課題克服を図る。読書会なども計画。

(7)「教師の日」研修会(教員全員対象)
生徒が教員に感謝・尊敬の心をもち、教員も教職に携わる者としての責任感・使命感を新たにする。今年度は各教科授業を公開する。

(8)インディビジュアル研修
「Find!アクティブラーナー」(教員向けWebサービス)を活用して、月1~2回のオンラインセミナーへの参加や「オンライン授業」「授業見学」「有識者講演」等の動画を視聴し、自己の授業改善や職務上の課題の克服を図る。
 

○「教師の日」研修会について

『課題の発見と解決に向けた生徒の主体的・協働的な学び』を促す授業を創出するために、特に生徒の「思考力」を鍛えることを重点テーマとして、毎年「教師の日研修会」を開催しています。今年度で第20回となりました。

参考として、令和4年11月18日(金)に開催する第20回「教師の日」研修会の要項を紹介します。

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令和4年度 第20回『教師の日』研修会 公開授業の概要

【授業セミナーの全体テーマ】
― 「思考力」を鍛える授業研究 ―
~『課題の発見と解決に向けた生徒の主体的・協働的な学び』を促す授業の創出~

【目的】
わが国の教育界では、生徒の能動的な学びによる「学力の3要素」の育成を重視した教育改革や大学入学者選抜の改革が実施されている。その動きに対して本校でも研究や研修が自主的・自律的に進められている。
高大接続システムの改革などの教育改革に対応して、本校の教育活動全体を未来に向けて転換していかなければならない。そこで、平素の授業・教科会・研修会等で積み重ねた成果を研究授業として一般公開をし、協議・検討をすることで更に実践に生かしていくことができるようにすることを目的とする。

【経緯】
本校では、平成30年度より、『「思考力」を鍛える授業研究』をテーマに特別講師による授業セミナーを行い、セミナー後には、授業内容のディスカッションを実施することで、更に平素の授業や教育活動に生かしていくことを目的とした『教師の日』研修会を行ってきた(第16回~19回として。但し令和2年度はコロナ禍により延期)。
また、今年度から新学習指導要領が実施され、新しい時代に必要となる資質・能力を育成するため、教科・科目等の新設や目標・内容の見直しについて検討するとともに、学びの質や深まりを重視し、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的な学習等を充実させることが求められている。そこで今年度は第20回という節目に当たり、第16回~19回までに研鑽を積み上げた成果を、研究授業として一般公開する。

1 期 日  令和4年11月18日(金)
2 場 所  福岡工業大学附属城東高等学校
〒811-0214 福岡市東区和白東3丁目30番1号 (TEL 092-606-0797)
3 対 象  本校教員
4 【スケジュール】
1 開会行事 8:50~9:20(30分) 場所:未定
2 研究授業 1時間目 9:40~10:25(45分) 場所:各教室
     2時間目 10:40~11:25(45分) 場所:各教室(案)
3 研究協議 11:40~12:40(60分)
     (前半:研究授業を受けた協議  後半:助言者からの提起・実践発表など)
4 閉会行事 12:45~12:50(5分) 各教室

※実施教科:国語・数学・英語・理科・地歴公民・電気・電子情報・保健体育

『教師の日』の様子
『教師の日』の様子① 『教師の日』の様子②


○どのようにして研修を学校文化として定着させているのか

2001年に城東高校に校名変更してから、「目指す教師像」という我々が具現化すべき目標があります。また、毎年「教師の日」研修会が設定されており、授業力向上のための研修会があるということも、本校の文化の一つだと思います。何よりも大学・短大含め学園全体が「For All the Students」というスローガンのもとに働いています。

さらに本校の校風として「一人ひとりを育む、きめ細やかな教育」があり、ホームページにも明確に教員研修の充実が謳われていることも大きいと思います。
 

≪研修用動画サイトFind!アクティブラーナーについて≫

コロナ禍の影響もあり、教員研修も「個別最適化」が必要だという方針のもと、2020年度からFind!アクティブラーナーを導入しました。

導入してよかったことは、一番は「各々で取り組む時間を選べる」というところです。導入前は「研修というものは全員が集まってやるもの」だと思っていました。それによって時間が中々調整できなかったり、先生たちの負担感も増えていました。今ではそれがなくなり、学びたいときに自分の課題感に合わせて学べるというのがとてもよいです。

具体的には、一定期間に指定のコンテンツを見て、レポートを出すということをやっています。レポートといっても字数制限があるわけではなく、本当にシンプルなものです。それよりも先生方の得た気づきや常に学び続ける姿勢を大切にしています。

Find!アクティブラーナーを実際に使った先生からは、「肌感覚でわかってはいたことなどを言語化できた」「他校の先生の授業を見学できてよかった」「余裕があるときに研修が出来た」といった声があがっています。

私自身、仕事をしている中でたまに「これは仕事でなくて単なる作業じゃないか」と思う事があります。でも、Find!アクティブラーナーの中に登場している先生方は、生徒のために試行錯誤をして一生懸命がんばっているんだな。そしてちゃんと「仕事」をしている人ってなにより楽しそうだな、と感じています。そして、自分もそうでありたいと思うのです。ですからFind!アクティブラーナーからは、本当にいい刺激を受けています。
 

≪教員研修担当の先生へのメッセージ≫

本校では130名ほど教員がいるのですが、正直全ての先生の学びのモチベーションが同じなわけではありません。それでも、学校として「教員は学び続けるもの」という教育理念があるので、モチベーションの高い先生が増えています。

私自身の学びのモチベーションについては、私が未熟であるということが一番のモチベーションです。月刊誌「致知」(致知出版社)や書籍、歴史上の人物、Find!アクティブラーナーの動画などから私がいかに未熟であるか痛感させられます。

常々先生方には「なぜ、我々も学ぶのか」ということを伝えています。そして「研修をやりましょう」ではなくて「自己研鑽しましょう」という声がけを行っています。特に年度初めの職員会議では、教員研修主任として時間をもらって話しています。ある時は大河ドラマのシーンを切り取って話しました。令和4年4月5日の職員会議では、P.ドラッカーの言葉を引用して「なぜ研修(研鑽)が必要なのか」ということを話すとともに、令和4年度の新しい研修ラインナップとして、「新任者研修」「ホームルームファシリテーター研修」「ミドルリーダー研修」「インディビジュアル研修」について説明しました。

学習指導要領が変わり、教員免許更新制が廃止され、これから、ますます教員研修が大切になると思います。生徒の成長のため、先生ご自身の幸せのために、一緒にがんばりましょう。

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