アクティブティーチャーの挑戦 第十二回(月刊高校教育3月号)

学事出版『月刊高校教育』にてFind!アクティブラーナーの連載がスタート!
こちらでは冊子の記事をWEB版として公開しております。

アクティブティーチャーの挑戦 第十二回(月刊高校教育3月号)

私立 麴町学園女子中学校・高等学校(東京都千代田区)
倉内彩圭先生

「若手が創る研修デザイン」

≪教員研修会の企画について≫

○教員研修チームの発足

本校では、2020年夏、校長先生から「学校としての2024年度末までの達成目標」が発表されました。その目標達成に向け、2021年4月に「GOTO2024プロジェクト委員会」が校内の分掌として5つ立ち上がり、そのうちの一つとして「教員研修部門」が発足しました。メンバーは、教頭先生、ベテランの先生、中堅の先生、そして20代後半の私の4名です。

研修チームのメンバーが発表された時、「なぜこんな経験の浅い私が?」という気持ちでした。経験を積まれ、知識・教養が豊富な先生方に比べ、私が研修を計画する側にまわるのは力不足ではないかと感じました。ただ、逆に「研修を受ける側」の気持ちで力になれればとは思い、新たなことに挑戦できるワクワクした気持ちもありました。

私は、主に動画研修の利活用の担当になりました。動画研修サービス「Find!アクティブラーナー」については、新たに導入する取り組みということで、経験に関係なく一から考えていくことができましたし、前例がない分、試行錯誤していく楽しみがありました。

○動画研修サービスを使った研修会の企画リーダーに

研修に関する年間計画は、教員研修部門の会議で決めています。教頭先生が原案を出してくださり、会議のなかで調整を加えます。「新任者研修」「全体研修」「動画研修」「PC研修」「外部開催研修」の部門ごとにスケジュールを決めています。この年間計画のなかで、2021年8月に全体研修会を行うことは決まっていました。

7月の研修部の会議で全体研修会の内容を検討した際、「せっかく導入したFind!アクティブラーナーの利用率を上げていきたい」と話題に挙がったため、全体研修に活用することが決まり、動画研修担当の私に企画を任せていただくことになりました。

教員全体にご協力いただくことなので、スケジュール調整や、職員会議において私からは発信しにくい内容の伝達等は、教頭先生が快くバックアップしてくださいました。また中堅の先生はイベントの企画・運営のノウハウをお持ちなので、グループ分けの方法や当日の細かい運営方法などで相談にのっていただきました。

○夏の全体研修会の内容(「Find!アクティブラーナー」活用)

動画研修サービス「Find!アクティブラーナー」を活用した、2021年8月31日の全体研修会について、詳しくお伝えします。

夏の全体研修会

◆目的(事前に全体に共有):「自主研修活発化」「学年や教科を超えた教員間のコミュニケーション活発化」「動画研修の利用率向上」を目的とする。

◆方法:全教員を6名ずつのグループに分け、3グループごと3教室に分かれて「Find!アクティブラーナー」の動画を一斉に視聴した後、その内容について議論する。その後、他グループのメンバーと合流して新たなグループを作り、情報共有をする。各教室のファシリテーターは、研修チームである教頭先生・中堅の先生・私が担当。ベテランの先生は今年度着任の先生ということで研修を受ける側に入っていただく。

◆日程:8月31日(火)※職員会議後の1時間
 11:00~11:05 アイスブレイク(東京オリンピック・パラリンピック関連で)
 11:05~11:45 動画視聴(合間にワークあり)・グループ内で感想共有
 11:45~11:50 移動(グループ変え)
 11:50~12:00 新たなグループで情報共有・交流「3つの動画に共通していたテーマは何か?」

◆視聴した「Find!アクティブラーナー」の研修動画:
 「(平本あきお氏)アドラー流勇気づけ」
 「(足立啓美氏)子どもの学びを支えるレジリエンス教育」
 「(安藤俊介氏)アンガーマネジメント」

※これらの研修動画は、Find!アクティブラーナーの担当者の方に「先生方の年代や担当学年を超えて一緒に視聴しやすい内容」「長くても30分以内の内容」で動画をピックアップしていただきたいとご依頼し、候補でいただいた10の動画の中から私が選びました。

○夏の全体研修会で工夫した点

お忙しい中でお時間をいただいていることを念頭に、一方的でない全員参加型の研修にしたい、少しでも楽しい1時間にしたいと考えていました。また、今年度は新規採用者が多くいたため、教員間のコミュニケーションを活発化させ、相互理解を深めたいと考えました。そのため、グループには必ず新規採用の先生が必ず1名は入るようにしました。以上の点から、途中で意見を交換し合うようなワークがある動画を選びました。

企画者が20代の私ということで、ベテランの先生方を前に研修を行うのは、たいへん緊張しました。ただ、研修チームの先生方が、企画者である私をたててくださる姿勢で、事前準備から当日に至るまでバックアップしてくださいました。当日も、多くの先生方が協力的な姿勢で臨んでくださったので感謝しています。

≪教員研修会の担当者として≫

○研修について感じていること

時代とともに教育現場に求められることも変わっていくと思います。また、働きやすい職場を目指すためにも、対生徒はもちろん、対保護者、対同僚など、教員一人ひとりが知見を広げることでより良いコミュニケーションをとれると思います。初任者・若手・中堅・ベテラン問わず、常に謙虚な姿勢で柔軟に学び続けることが大切だと思います。

私自身、研修担当になる前は、研修と聞くと堅苦しいイメージがあったのですが、研修を企画する立場になったことで「こんな研修なら受けてみたい」「これが実現できたら面白そう」とポジティブな気持ちで研修を考えられるようになりました。

○研修担当者としてのやりがい

研修チーム

この研修チームにおける私の役割は「若手教員の目線からの意見」だと思っています。若手の先生方と話していると、「こういうところは改善すべきだと思う」「もっとこうなったらいいのに」など、実は改善案や要望を持っているけれど、なかなかそれを発信する場がないという現状を感じます。そういった日常の何気ない会話からヒントをもらい、研修部の立場から、より良い職場環境構築に向けて働きかけられたらと思っています。

また、これまでは自分自身の事で精一杯で、学校全体の動きにもどこかついていく側の気持ちでいました。しかし、運営側の立場をいただいたことで、一教員としてより良い学校にするために、当事者意識をもって考える責任感も芽生えました。

研修部発足前、本校には体系だった研修がなかったため、前例にとらわれず一から作っていけることに楽しさを感じています。研修部では「こんなことやれたらいいよね」と案には出ていてもまだ実現できていないものもたくさんあります。これからも試行錯誤しながら、新たな取り組みに挑戦していけることが楽しみです。

≪世界史の授業の工夫について≫

○世界史に興味関心を持たせる工夫

世界史の教科書の内容は「実際に起きたすべらない話」だと思っています。面白おかしく、とまではいかずとも、私自身がノリノリで語れるよう、起承転結を意識して話す順番の組み立てなど試行錯誤しています。

また、実際に行ったことのある場所の写真を紹介したり、現地でのエピソードを交えながら話したりすることで、「教科書の中のできごと」から一歩身近に感じてもらえるように努めています。

○通常の授業の進め方

高校生の世界史は、基本はプリント授業です。黒板の中央に電子黒板機能がついているので、そこには常に地図や資料集の図などを投影しておき、左右の部分は板書で使用しています。

生徒にはプリントの穴埋め以外にどんどんメモを取るように指示しています。中にはイラストなどを描いて整理している生徒もいます。気になったことは、どんどん調べてみるよう伝えています。

○ICTの利活用について

本校では、生徒に一人1台iPadを持たせています。授業での使い方は、教員それぞれの裁量に任されていますが、私はロイロノートとClassiで課題のやり取りや連絡事項の伝達等に活用しています。

例えば、ノート提出をさせる際も各自で写真を撮らせてロイロノートの提出箱に提出させています。そうすることでノートそのものを生徒から預かることはしなくて済むので、ゆっくり確認することができますし、場所も取りません。また、工夫してノートを作っている生徒には許可をとってデータを保持しておき、翌年の後輩に紹介したりできます。

また、昨年度より電子採点システムを活用しています。このシステムの導入により、採点業務はかなり早く、楽になりました。また、設問毎の正答率が瞬時に分かるので、たいへん参考になります。電子採点システムは、教員にとって画期的なシステムだと思います。

私は現在、情報教育推進室という分掌にも携わらせていただいています。私は「新しいシステムはまずは試してみて、メリットがあるならどんどん取り入れる」という姿勢でいたいと思っています。

新しい取り組みやICTに抵抗感を持つ方も中にはいますが、やり方をまるっきり変えたり難しいことをやったりする必要はなく、それぞれ無理のない範囲で、業務負担の軽減や質の向上に役立てる使い道を探っていければいいと思います。

≪動画研修サービス「Find!アクティブラーナー」について≫

○動画研修の利点

研修になかなか足を運べない理由の中に「日々の業務が忙しい」というものがあります。動画研修であれば移動時間や家事をしながらなど、隙間時間を使える利点があります。思い立った時にすぐに研修動画を探せることもメリットです。

また、コロナ禍で一堂に会する研修が敬遠される情勢への対応もできますし、遠方で行われる講演の内容を聴けるという利点もあります。

○オリジナル「おすすめ動画新聞」について

私自身まだ担任経験も浅いので、保護者対応の心構えの動画などは面談前に活用させていただいています。また、Find!アクティブラーナーから送られてくる「おすすめ動画新聞」とは別に、オリジナルで校内向けに「おすすめ動画新聞」を作っています。

FAL新聞

最初は研修部員からのおすすめ動画を載せていたのですが、直近では夏休みに動画を視聴した先生のコメントを掲載しています。新聞に載せる動画は基本的にチェックし、自身の研修に役立てているのはもちろん、先生方がどのような問題意識を持っているのかを探るヒントにもしています。

≪若手の先生方へのメッセージ≫

もし「より良い学校にしたい」「より良い職場にしたい」という気持ちがあるならその気持ちを大切にしてください。「経験が浅いから」といった理由で遠慮しているのはもったいないです。学校を動かす一人の教員であることに変わりはないですから。

若手教員が前向きな姿勢で新しいことに挑戦していくことで、学校はきっとより良くなっていきます。若手のアドバンテージは、とにかくがむしゃらに挑めること。私自身まだまだ未熟ですが、その分これからが勝負という気持ちでいます。一緒に頑張りましょう!

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