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アクティブティーチャーの挑戦 第四十七回(月刊高校教育2月号)

学事出版『月刊高校教育』にてFind!アクティブラーナーの連載がスタート!
こちらでは冊子の記事をWEB版として公開しております。

アクティブティーチャーの挑戦 第四十七回(月刊高校教育2月号)

聖隷クリストファー中・高等学校
金原由貴(きんぱら ゆき) 先生

「読解リテラシーの向上、小論文クライミングについて」

≪聖隷クリストファー中・高等学校について≫

静岡県浜松市に所在する本校は、昭和初期に結核患者の救済を目的として設立されました。創設者の長谷川保は、キリスト教の精神に基づき、社会事業を通じて地域社会に貢献することを目指しました。本校の建学の精神は、「自分のようにあなたの隣人を愛しなさい。」です。創立以来、終始一貫、キリスト教(プロテスタント)主義の学校として、イエス・キリストの愛を理解し、実践する人間を育てることを目標にしてきました。「自分のようにあなたの隣人を愛する。」という言葉には、人と共にあれ、人と共に生きようということが示されています。学校が行うすべての活動の根幹に、この精神を置き、教育の営みを推進しています。

本校周辺には、聖隷グループの医療・福祉・教育の各施設が集積しています。この恵まれた環境を生かして、授業をはじめ、部活動やキャリア教育など、さまざまな教育活動において聖隷グループとの連携を図っています。校内に留まらない広大な学びのフィールドでの新たな出会い、気づき、感動が、生徒一人ひとりの豊かな成長につながっています。生徒はもちろん、教職員一人一人が建学の精神である「自分のようにあなたの隣人を愛しなさい。」という隣人愛精神を大切にし、近年はこの精神をもっと身近に感じてもらうため、1年間掛けて教員全員で作り上げたタグライン「誰かの幸せを、自分の喜びに。」を掲げています。

本校の生徒たちは、多岐にわたる進路選択が可能ですが、医療福祉を目指す生徒が多いのが特色です。隣人愛精神に理解を示し、他者に思いやりを持って接することができる生徒たちです。3年間を通して、周辺にある社会福祉施設等で学ぶ「労作」という本校独自の授業や「聖書」の授業において、「生命の尊厳」と「隣人愛」を大切にする意味を学び、社会に役立つ人材になるための進路選択ができる生徒に成長しています。

≪私のキャリアの変遷≫

幼い頃から祖父、父をはじめとする身近な大人が校種はさまざまですが、教員だったこともあり、物心ついた頃から職業選択として「教育」の道に進むことが自然だと感じていました。しかし、時を同じくして向井千秋さんが日本人女性で初めて宇宙飛行をされたというニュースを見て、宇宙飛行士を目指すようになりました。就学後、小学1年の教科書に掲載されていた金子みすずの『わたしと小鳥とすずと』に感銘を受け、宇宙飛行士になれなかったら「先生になって詩を教えたい」と思うようになりました。

高校在学時の「古典」の授業の中で、まだまだ解明されていない未知の分野である、という点に宇宙と「古典文学」の共通点を見つけ、魅了されるようになりました。その後、日本文学を学ぶため大学に進学しましたが、ふと「学校」にしか身を置いたことがないことに気づき、まず社会に出てみようとの思いから、金融機関に就職。ファイナンシャルプランナーとして、様々なお客様に「お金」についてのアドバイスをする中で、あるお客様に出会ったことをきっかけに、改めて「教育」の大切さを痛感し、転職、現在に至ります。

幸せなことに、聖霊クリストファー中・高等学校に着任直後からクラス担任を拝命し、昨年春3度目の卒業生を送り出しました。現在は、高校1年生の担任です。最初の卒業生を送り出した頃になってやっと、クラスの状況が個人個人の学習到達度に大きく影響することに気づき、特に学級経営に力を入れるようになりました。LHRのみならず単位数の大きかった国語の授業において、グループ編成を何度も変更するなど工夫し、クラスの誰とでも安心して話せる環境作りに力を入れてきました。校務分掌としては、昨年度までは教務部に所属し、成績処理や図書関係の仕事を主に受け持っていましたが、昨年度、生徒会主催イベント「校則サミット」の企画運営に携わったことをきっかけに、今年度より生徒指導部にて、生徒会の担当をしています。

また、数年前から研修部にも所属し、教員研修として、学校改革を職員全員が「じぶんごと化」するための対話型ワークショップ研修を年3〜4回程度担当しています。加えて、新卒及び若年教員は2週間に一度、「研修」の時間を授業の時間割として組み込み、レゴブロックを使ってその時々の自身の現状を振り返るとともに、作品を説明するという過程を通してそれぞれの課題や実践を共有する場を作っています。毎回語ってもらった作品の写真を撮って、ロイロノートに記録することで、最初は日々の業務に追われて不安を抱えたり、焦ったりしていた若手教員も、自身の記録から成長を実感し、前向きに活動できるようになっています。

≪国語科教員としての取組≫

●読解リテラシーの向上について

本校では毎朝、各クラスへの中継配信による礼拝をとり行い、教員が5〜7分ほど「お話」をする時間を設けています。本校オリジナル手帳には、この「お話」の要約を記録するページがあり、国語の授業の冒頭で互いの要約を共有し合う時間を設けてきました。しかし、高校1年生のほとんどの生徒が「お話」の導入部分や具体例を書くだけで「お話」の論旨を捉えておらず、そのため、教員が本当に「伝えたいこと」を、的確に理解できる生徒が、圧倒的に少ないことが分かりました。ゆえに、①基本的な文章構造の理解、②様々な角度から考察する必要性への気づきの2点に絞り、読解リテラシー向上のきっかけづくりとなる教材の開発を検討することとしました。

礼拝のお話は通常5分程度であり、多くの場合は教員の体験や日常生活での出来事の話から聖書の聖句に関連した話につながるため、新聞のコラムと類似した文章構造になることが多いように感じます。そこで、新聞のコラムを活用したNIE教材『新聞の読み方』を開発しました。

開発にあたって、1ヶ月分の新聞6紙のコラム及び社説を切り抜き、主題ごとに(Ⅰ)同じテーマのコラムを2,3社比較できるもの、(Ⅱ)同じ新聞社の、コラムと社説のテーマが同じもの、に分けて冊子化しました。テーマの選定に当たっては、探究学習で学ぶSDGsを意識しやすいことや、生徒にとって身近な問題や日常生活に直接結びつきやすいものであることを意識しました。また、応用課題として(Ⅲ)同じテーマの社説を2,3社比較できるもの、も準備しました。

授業ではまずは、コラムの特徴として前半に読者の興味を惹きつける導入部分があり、本題に入るという典型的な構造を理解させたのち、各グループ4人でジャンケンをして、勝った人がコラムを音読しました。その他の生徒は音読を聞きながら、後から要約をするためにキーワード、キーセンテンスにチェックをつけるよう指示をしました。2つのテキストにつき2名ずつ音読することにより、全員が作業することができます。さらに2人目の音読者は、1人目の音読を聞きながらチェックをつけた箇所を意識しつつ音読できるため、重要な箇所が伝わりやすくなるような音読を心掛けるなど、生徒自身の工夫が多く見られました。音読及び要約は、1コラム毎に行わせることでそれぞれの新聞社のコラムに丁寧に向き合うことが可能となりました。この活動は文章構造を理解させるとともに、同じテーマであっても導入の仕方によって主張が異なることを理解させるものでした。

これを踏まえて、実際にコラムを書くという課題を出しました。新聞のコラムは、諺や物語など読者の興味を引く導入的話題から始まります。そこで、既習の芥川龍之介『羅生門』を導入的話題として、生徒それぞれの興味のあるニュースを主題としたコラムを400字程度で書くことを条件としました。完成後みんなで読み合わせをしたことで、「書くこと」のみならず、『羅生門』の捉え方の幅が広がり、コラムのみならず『羅生門』の読解を深めることもできた、という感想が多く出ました。

●小論クライミングについて

小論クライミングは、私の着任以前より、本校の進路指導部で立ち上げていたプログラムです。基本的には1年生の前半はコラムの書き写しをすることで、原稿用紙の正しい使い方や、文章構造の理解を促します。その後、賛否の主張とその根拠を述べる練習、反論する練習とまさにクライミングのように一歩ずつ小論文技術を身につけるプログラムです。この取り組みは、学年全体で宿題として課し、クラスごとに提出日を指定し、学年の教員全員で手分けして添削しています。このようにすることで、多くの教員の目で生徒一人一人をフォローすることができるとともに、どの教科担当の教員も受験指導にあたれるよう、教員自身の小論文添削スキルを向上させることに繋がっています。

私の着任当初は各学年の進路指導担当が主導して行っていたプログラムでしたが、他の校務も多い中で、コラムの選定から課題作成を行う時間が取れず、ほとんど実施できない学年もありました。そこで5年前に、2年間で小論文の典型的な文章構造を身につけることができるように組まれた今までのシステムを1冊の教材「小論クライミング」にまとめました。

昨年春には教材の改訂に着手し、小論に加えて要約練習も加えつつ、よりシンプルに生徒がわかりやすい教材に改めました。このプログラムによって、2年終了時までに小論文の基本的な文章構造はほぼ全員が理解し、3年時の受験前の個別指導時には、典型パターンを用いた練習から始めることができています。

≪校則サミット(2023.8実施)について≫

2023年3月に当時の1年生の生徒会メンバーに対してリーダー研修として、「LEGO®SERIOUS PLAY®メソッドと教材を活用したワークショップ」(略称LSP)を行ったことが始まりです。代替わりを4ヶ月後に控えた生徒に対して、次年度の生徒会の方向性を考えるワークショップ(以下WS)を実施しました。高校生活をコロナ禍で迎えた生徒たちにとって、生徒会活動が校内に籠もりがちだったため、WSの冒頭では、地域社会と学校を繋げることも生徒会の役割であることを説明してから始めました。WSのテーマは、「建学の精神『自分のようにあなたの隣人を愛しなさい』を実践できる生徒像、及び生徒会とは?」でした。ブロックを通して様々な話し合いをした結果、まずは校則を見直したい。そのために、他校と一緒に浜松全体の高校で校則について考えてみるという企画が発案されました。その生徒たちの発案で、浜松市内の4つの私立高校(浜松学院、浜松聖星、オイスカ浜松国際、浜松啓陽)が賛同し、5校の生徒会による「校則サミット」を2023年8月に開催することができました。

●レゴ®シリアスプレイ®(ブロック教材)の活用

LSPはブロックで作品を作り、それについて語るという行動を通して、なんとなく考えていたことや、潜在意識の中にあったものを言語化し、他者との対話を通して内省を深め、新たな理解を得るコンストラクショニズム理論に基づいたWSです。「校則サミット」は、多くの生徒たちにとってどちらかといえば「厄介」だと感じている「校則」について、どう理解し、どう向き合っていくべきか、生徒だけではなく、教員も交えて共に考えていくことを目的としたイベントでした。

●以下は、「はごろも教育研究奨励賞」の論文に書いた内容の抜粋になります

8月24日 他校生徒会を招待し「校則サミット」を実施

当日は5校から生徒教員合わせて20名が参加し、5グループに分かれて「校則ってそもそも何?〜校則との向き合い方を考えよう〜」をテーマにワークショップを行った。開会に先立ち生徒会長より「校則サミット開催の経緯」についての説明があり、「校則とはどんなものか、どう向き合うべきなのか議論する場である」ことの説明がなされた。各グループとも教員1名を含む全員が他校所属者となるよう設定し、気兼ねなく自校のことを話せるように工夫した。また、ワークショップの際は本校のLSPファシリテータ有資格者2名以外に外部から3名の有資格者をお迎えし、各グループに1名ずつファシリテータを置いて進行することができた。ワークショップはウォーミングアップ後、(ア)〜(ウ)流れで実施した。尚、3つの作品の作成にはその都度新たなブロックセットを1つずつ使っており、同じ条件下で作成している。

(ア)「校則が影響を与える『最悪な学校』」をブロックで作成

まず全員が同じパーツのブロックセットを持っていることを確認した上で、次にその中から「校則」を表すブロックを1つ選び、なぜそのブロックを選んだのか、形や色に意味づけをして語ってもらう。全員が語り終わったら、選んだブロックを使って「校則」が影響を与える「最悪な学校」を作成してもらった。全員が同じブロックを持っているにも関わらず、1つのテーマに対して異なるイメージを持っていることを受け入れ、他者の意見を尊重しつつ自身の意見を反映させた作品ができた。また、語る際には必ず最初に選んだ「校則」がどのように影響を与えたかに着目させることで、「ルール」の持つデメリットが浮き彫りとなった。

(イ)「校則が影響することで建学の精神を体現できる『理想の学校』」をブロックで作成

再度「校則」を表すブロックを1つ選びその理由を説明してもらった。この時、選ぶブロックは先程と同じ物でも、違う物でも構わない旨を伝えることで、(ア)の活動内での対話を通して考えが変わったり、他者の意見や指摘を受けてブラッシュアップした考えを持ったりした参加者が、安心して選べるよう工夫した。その後選んだブロックを使って「理想の学校」の作成を促したが、この時、「建学の精神を体現する」ことができる学校を「理想の学校」と定義した。これは単純に「楽しい、居心地が良い」だけの場ではなく、参加者が自校に所属する意味を理解し、誇りを持って生活できる場としての「学校」を意識させるためである。 (ア)と同じ流れで進行したため参加者からの質問も出やすく、作成した本人が無意識に作成した部分や空間などを指摘する参加者が増えた。また、 (ア)の作品と比較することで、「校則」そのものに悪いイメージを抱いていた参加者は、向き合い方や捉え方を変える必要性に気付くことができた。

(ウ)自校の現状を可視化し、進むべき方法を考え

(ア) (イ)の2つの作品を机の両端に向かい合うように配置し、人形の形をしたブロックを現在の自校と見立てた時、「現在の自校」は「最悪」と「理想」の間のどのあたりにいるのか人形のブロックを置き、その意味を語ってもらった。この時、特に指示を出さなかったが、人形のブロックのポーズや体の向きにこだわって配置する姿も見られた。理想の学校の方向へ歩くポーズで配置した生徒は、女子の制服にスラックスが導入されたことを受けて、学校全体が多様性を認める方向に進んでいることで生徒たち自身も校則に目を向ける意識をし始めるタイミングだと語った。一方で理想に背を向けて座りポーズで置いた教員は、伝統や古い考えで凝り固まっている現状に気付き、今のままでは動き出せないと語った。

現状の可視化が終わったところで、「現在の自校」を表す人形ブロックが「理想の学校」に辿り着くための「移動手段」をブロックで作成してもらった。飛行機などの乗り物を作る参加者もいれば、安全に歩くための靴を作る参加者も出るなど多種多様であったが、多くの参加者が「校則」の向き合い方次第で見え方が変わることや、今まで「ブラック校則」だと思っていたものが視点を変えると生徒を守るために作用していることに気付く作品ができた。そのため、現在の学校を表す人形ブロックとこれからの学校を作る生徒たちを表すブロックが手を取って進もうとする作品や、理想の学校までの道を整備するところから始める乗り物などが出来上がり、作品を作る中で自校の現状に向き合うことができた参加者が多かった。

最後にこれから自校に戻って生徒会活動を行うにあたって、この「移動手段」を「理想の学校」に導くための「guiding principle(導く指針)」を書いてもらった。参加者からは、「常に進化を求めて様々な意見を取り入れる」「何のため?だれのため?を常に問う」「向き不向きよりも前向きに」「常に何故?を考える」「not語るbut動くnot誰かbut自分」など、今後の指針となる言葉が多くあがった。開催直前及び終了後のアンケートを比較すると「校則」の意義や役割を語れるようになったという意見が圧倒的に増加した。本校の参加者生徒は終了後のアンケートにて、「校則を変えることが正義だと思っていたが、逆に多様性を認めながらみんなで同じ方向を見るための手段だと気付いた」と話した。

9月〜 サミットの振り返りと今後の展望、計画

「校則サミット」ではリハーサルでワークショップに参加した運営スタッフの生徒を中心に、グループに1名ずつ記録係として常駐していたため、作品を全て写真として残すだけでなく、それぞれが語った言葉をメモして後日各学校にフィードバックできるよう準備していた。サミットの振り返りミーティングでは報告書としてまとめたものを作成する期日の確認や書式の統一などの事務的確認の後、アンケート結果を共有した。これを受けて、まず行動をするために全員で本校の課題を洗い出すことを提案した。(略)

生徒会役員もミーティングやワークショップを重ねる中で学校全体の課題を自分ごととして受け止め、真剣に向き合うことで課題解決に意欲を見せるようになった。特に顕著な変化は、それまで「校則サミット」や他の課題は生徒会の中で個別の議題として話し合っていたが、文化祭や体育大会などの行事も含めた広い意味での「学校生活全体」を改善する一つとして課題を捉えることができるようになり、総合的に判断して解決策を考える組織になったことである。

研究成果(今後の課題等)

「対話」とは、人と人が向き合えば成立するというものではない。本研究は、一つのテーマについて互いに深め合い、より良い答えを導き出すための一つのツールとして、作品を媒介にするLSPメソッドの有効性を示すものとなった。そして今回、生徒会役員がワークショップを通して課題に上げた「校則との向き合い方」について、「サミット」という形で他校生徒会との対話の場を企画・運営したことで、課題解決に向けた糸口を掴むとともに、校内の新たな課題を発見し解決しようとする主体的な行動を引き出すことができた。この成功の1番の要因が「対話」であることは間違いない。「校則サミット」の事後アンケートの中で、「他校の生徒や先生と話したことで、校則に対する見方が変わった」「他者と話すことで校則に対する自分の考えが深まることに気付いた」という感想が目立った。「対話」によって内省が深まり、また他者と意見を交換する中で、新たな行動を引き起こすための意欲が引き出されることを実証できたのである。

新型コロナウィルスが第5類に移行された今、校内だけでなく地域社会の様々な人々と対話を通して繋がることが、生徒の深い学びになるはずだ。例えば、今回のサミットは中日新聞社様、静岡新聞社様、静岡第一テレビ様に取材していただいた。本校の放送部員も記録用に撮影していたのだが、その場でテレビ局カメラマンの方が三脚の効果的な使い方や取材に適したカメラワークを教えてくださったそうだ。プロの方から直接指導していただき、実践できた生徒は、貴重な学びをその後の活動に生かしているという。また、リハーサルに参加した生徒は、LSPによる対話を通して課題に向き合うだけでなく、サミットを円滑に運営し、サミットをより有意義なものになるよう、フィードバックの提案や会場設営にこだわりを見せた。このように、今回はワークショップという形を取ったが、生徒に「対話をする場」を提供することが、課題解決能力を身に付ける一助になると確信し、今後は多様な形で生徒と地域社会が「対話できる場」を持てるよう努めたい。

○「校則サミット」に参加した生徒のその後の動き

サミットに参加したり、運営に携わったりした生徒たちは、「校則を変えること」よりも「本校の生徒としてあるべき姿とは何か」を考えることが増えました。そして、その根本には建学の精神があることを生徒たち自身が導き出したことが今回の一番大きな成果だと思います。昨年6月に行われた文化祭でも、建学の精神に基づいて作られたタグライン「誰かの幸せを、自分の喜びに。」を体現できる文化祭にするにはどうすべきか?という課題についての話し合いにかなり多くの時間を割いていたように感じます。

≪先生方へのメッセージ≫

「新しいことを知る」ということは私にとってわくわくするご褒美のようなものです。しかし、知って終わりでは勿体ない!もちろん「アハ体験」そのものも脳を活性化させます。そこにリフレクションを付け加えるだけで定着を図ることができる…おそらくほとんどの先生方が、その効果をご存知で、生徒への指導に活用されていることでしょう。

私自身、生徒には「ふりかえりが大切!」と何度も伝えてきたつもりです。ところが、自分自身のことを振り返ってみると、全くリフレクションが出来ていないことに気がつきました。「先生」は「先に生まれた」者として、生徒に「良い」と勧めるものは自分でもやってみる必要がある!やってみて良いと思ったことを伝えていく。私たちの仕事はより良い未来創造のサポートです。先生が一息ついて、立ち止まって自分を振り返る、そんな時間が取れたらもっともっと深い教育ができ、未来を創造する生徒たちの力を引き出せるような気がします。今回こうして、インタビューしていただく機会をいただいたことで、私自身のキャリアを振り返るきっかけをいただいたことに、心より感謝申し上げます。


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