生徒からプログラミングを学びたいと言われた時に伝えたい無料学習サービス5選
「必修化がはじまる前に、興味のある生徒にはプログラミングを学ばせたい」
「プログラミングは何も知らないが、聞かれた時は意欲を削がずに背中を押してあげたい」
「あわよくば自分も(こっそり)プログラミングについて学んでおきたい!」
小学校での必修化を受けて関心が高まる中、先生方の準備は進んでいますでしょうか。
塾や英会話に続く習い事としてプログラミングも注目され、生徒や保護者から話を振られることもあるかもしれません。
そんな時、十分な準備ができていなくても、知っておくだけで必ず話のネタになる無料のプログラミング学習サービスを紹介します。
世界中の小学生も使える、学びやすさ重視の学習サービス5選
ここでご紹介していくサービスは、ネット上に関連情報や知りたい情報が多く載っており、つまずいても調べれば答えが見つけやすいメジャーなものを取り上げています。
近くにプログラミング教室が無かったり、通うにも月謝が払えないなどする子であっても、ネット環境さえあれば興味の赴くままプログラミングを学ぶことができます。
中には各地のスクールや講座で実際に使われている教材もあるため、無料であっても質の高さは折り紙つきです。
Scratch(8歳以上)、ScratchJr(5歳以上)
● Scratch : https://scratch.mit.edu/
● ScratchJr : https://www.scratchjr.org/
まず、初心者向けプログラミング教材としてもっとも有名なのが Scratch です。
マサチューセッツ工科大学のプロジェクトチームが開発したツールで、世界中の学校でも導入されています。
サイトには、Scratch を利用して作られた多くの作品を見て楽しむことができ、作る前からワクワク感を得られる点もポイントです。
設けられたプロジェクトやコミュニティでは、利用者同士の交流も活発。現在、NHK で放映されている厚切りジェイソン出演の番組「Why!?プログラミング」でも利用され、サイト内でも様々な作品が作られていました。
子ども大人問わず幅広く利用されており、どれから手を付けるか迷った際は、まず試してほしいド本命のサービスです。
Pyonkee
● Pyonkee – iPadでビジュアルプログラミング : http://www.softumeya.com/pyonkee/ja/
Pyonkee は、Scratch をベースに開発されたプログラミング教材です。
主に iPad での利用を想定しているため、学校などに導入されているタブレットがあればぜひ利用してみてほしいと思います。
基本的な操作方法は、Scratch とほぼ変わりませんが、マウス操作の必要がなく、タップやピンチイン・ピンチアウト、内蔵マイクやカメラ利用も含め、より直感的に操作することができます。
パソコンは持っていないし、スマホだと画面が小さいといった場合、ちょうどいい選択肢として Pyonkee で学習することが可能です。
また、「未来実現IT教室」という伊藤忠テクノソリューションズとNPO法人CANVASが運営している教室で、定期的に Pyonkee を用いたワークショップが実施されています。
使い方をさらに知りたい、となった際にはぜひチェックしてみてください。
プログラミン
● プログラミン | 文部科学省 : http://www.mext.go.jp/programin/
国としてプログラミング教育を推進するにあたり、子どもたちの学習教材として開発されたのがプログラミンです。
プログラミングに関する様々な役割を持ったプログラミンという生物を、多様に組み合わせながらアニメやゲームを作っていきます。
こちらもベースが Scratch なため、こなす作業はそれほど変わりませんが、キャラクターを用いたインターフェイスは小さい子でもより親しみやすいと評判です。
解説やチュートリアルもしっかり用意されているため、それほど抵抗なく利用できるようになっています。
CodeMonkey
● プログラミング学習ゲーム CodeMonkey ( コードモンキー ) : https://codemonkey.jp/
こちら CodeMonkey は、愛知県豊橋市の教育委員会も民間企業と連携して導入しているプログラミング学習ゲームです。(豊橋市と市教委 プログラミング教育に力 | 東愛知新聞)
元々はイスラエルで開発された学習教材で、ゴリラに奪われたバナナをサルの「モンタ」が取り返すというストーリーで進んでいきます。
バナナをいかに効率よくゲットできるか、問題(障害)をどう捉え、どんな解決策が考えらえるかなど、プレイするにあたりよく検討することが重要です。
モンタを動かすだけでなく、時には亀やワニ、ねずみなど、フィールドにいるキャラクターも動かしながら視野を広くしてバナナ奪取を目指すゲーム。
何か具体的な作品を作るわけではありませんが、プログラミングのスキルや考え方を楽しみながら学べる教材となっています。
Viscuit(ビスケット)
● VISCUIT(ビスケット)~コンピュータを粘土のように~ : http://www.viscuit.com/
文字やコードなどを打ち込まず、絵を描くことによってプログラミングを体験できるビジュアル教材、それがビスケットです。
低学年より以前の未就学児も対象としてコンテンツが成立しており、お絵かきの延長でプログラミングに親しむことができます。
一見、プログラミング教材には見えないインターフェイスですが、それだけ意識することなく、自然とその概念や考え方を学べるように設計されています。
アプリもリリースされたそうなので、お絵かきできる学年の子であれば、それとなく遊ばせてみてもいいかもしれません。
日本発のプログラミング言語として、総務省も「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業で一教材に取り上げており、今後も普及が見込まれています。
「コーディング」でなく「プログラミング的思考」を養えることが重要
2020年より必修化がはじまる学校において、まず学ばせるべきはコードを組む(コーディング)ことではなく、あくまで「プログラミング的思考」を養うことだとされています。(参考:小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ))今回ご紹介しているサービスは、まさにコードを直接書き込むようなものでなく、ブロックやアイテムを積み重ね、物事を達成するために必要な手順を組み立てて解決策を考える作業が主になります。
「目的を定め」「解決策を検討し」「プログラムを作り(ブロックを積み上げ)」「実行し解決する」という各工程を通し、「プログラミング的思考」を養えることから、今すぐに全員でないにしろ、興味のある子どもにはぜひ勧めて、取り組んでもらえるよう働きかけていただくといいかもしれません。
(Find!アクティブラーナー編集部)
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