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アクティブ・ラーニング(中島博司氏)ALを学力向上につなげる「AL指数」と「R80(アールエイティ)」

概要

茨城県立並木中等教育学校 校長 中島 博司先生より寄稿頂きました。

中島先生考案の、アクティブ・ラーニングの実施率を示す「AL指数」と、 アクティブ・ラーニング型授業をセカンドステージに引き上げる「R80」について、ぜひご一読ください。

明日の授業からすぐに使える「R80」のプリントもダウンロード頂けます。




ALを学力向上につなげる「AL指数」と「R80」
 
茨城県立並木中等教育学校 校長 中島 博司 2016年 7月1日
 
 私は、2015年4月より「アクティブ・ラーニング」(AL)について研究を進めています。
 2015年8月5日、目黒雅叙園で開催された「アクティブ・ラーニング研修会」で、(株)Findアクティブラーニングの永井充社長に初めて会いました。その時、本サイト「Find!アクティブ・ラーニング」を立ち上げるという話を聞き、すぐに登録しました。おそらく会員番号1番です。そのサイトが、現在、利用者数50000名を越えるプラットホームに成長し、たいへんうれしく思っています。

 さて、2015年は、まさに「高校アクティブ・ラーニング元年」と言える年でした。私は、多くの研修会やセミナーに積極的に参加して勉強させていただきました。また、多くのAL型授業も実際に見学しました。そして、私自身が完全に「アクティブラーナー(能動的学習者)」になってしまいました。

 2016年は、「高校アクティブ・ラーニング・セカンドステージ」だと考えています。

 ALには、大きく分けて「イベント型」と「通常授業型」がありますが、現在皆さんが追究しているのは、「通常授業型」だと思います。私は,多くのAL型授業を見ていて,現在次のことが課題であると考えています。

課題 ① AL型授業が形だけになってはいないか。
課題 ② アクティブラーナー(能動的学習者)の育成という目的に向かっているか。
課題 ③ ALか講義かという二項対立的な議論になっていないか。
課題 ④ ペアワークやグループワークだけで学力は向上するのか。

  ③の課題に対して、2016年3月に私が考案したのが「AL指数」です。

1.「AL指数」とは,ALの実施率を示す指数です。
2.50分授業で AL5分なら「AL10」,AL10分なら「AL20」です。
3.週5時間の授業でAL1時間の場合も「AL20」です。

 「AL指数」は,本校では、すでにAL用語として定着しています。
 私は、高校の授業は、たいへん指導内容が多いため、従来型の知識伝達の講義も大切だと思っています。現在、私の考える高校ALの理想は「AL20」です。
 また,この「AL指数」を活用することで,今後「ALの研究」が進むものと考えています。たとえば、ALの効果の検証等に、この指数を横軸として使うことができるということです。
 
 次に④の課題に対応するために,2016年5月に私が考案したのが「R80」です。

1 「R80」の読みは「アールエイティー」です。
2 Rは「リフレクション(振り返り)」と「リストラクチャー(再構築)」のRです。
3 80は,自分で80字以内の文章を書くという意味の80です。
4 基本ルール①……ALの最後に,リフレクション(振り返り)として,ペアやグループで話し合ったことなどを,リストラクチャー(再構築)して,80字以内で書きます。
5 基本ルール②……必ず2文(2センテンス)で書き,その2文を接続詞で結びます。
6 目的……思考力・表現力・論理力を育成します。→ それが学力向上につながります。
7 なぜ2文80字以内か…1文は50字前後が理想とされています(簡潔に明確に書く)。
★「新テスト」における短文記述式問題の文字数が80字以内です。

 私は,ALは「学力向上」が伴うことによって,さらに広がっていくと思っています。
 そのために考案したのが「R80」です。確かに少しハードルが高いかもしれませんが,ALを「セカンドステージ」に引き上げるためのアイテムです。
 本校では、すでに授業の振り返りや、課題追究の記述用紙として活用されています。
 今後、多くの先生方の工夫・改良を経ながら「R80」が全国の教室に広がっていくことを期待しています。
 
 ◆今回、私の考案した「R80」の様式のエクセルデータとPDFを提供いたします。
 ◆自由に改良してお使いいただいて結構です。
 
 私は、前述の2015年8月5日の研修会で、「アクティブ・ラーニングの伝道師」である小林昭文先生(産業能率大学教授)に会い、先生の名著『アクティブラーニング入門』にサインをお願いしました。そこには「中島博司様 一緒にALを広げましょう 小林昭文」と書いていただきました。
 最近、私も「アウトプット」の機会をいただくようになり、各種研修会で講師をつとめています。これからも、生徒たち、先生たちのために、ALを広げる努力を続けたいと考えています。
 
 私の考える「アクティブ・ラーニング」の目的は,「アクティブラーナー(能動的学習者)」を育成することです。「アクティブラーナー」になると,毎日が明るく楽しく充実します。
 そして,「アクティブラーナー」ならば,AI(人工知能)等の発達により大きく変化する未来にあっても,柔軟に対応していけると,私は信じています。
 
 このサイトをご覧になっている皆さん。一緒に、日本の教育を変えていきましょう。
 

以下よりファイルをダウンロードしてご覧ください。

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