北海道高校英語プレゼンテーションコンテスト

 北海道札幌市の北星学園大学にて、「第6回全道高等学校英語プレゼンテーションコンテスト」が開催されました。昨年に続き、今年も審査員としてお声がけいただき参加してきました。

 主催は、北海道高等学校文化連盟国際交流専門部で、審査委員長は「おとなの基礎英語」で有名な立教大学経営学部教授の松本茂先生です。

 テーマは「北海道がより多くの外貨を獲得する商品を開発、または紹介するための提案」(A proposal for developing or promoting a commercial product which brings more foreign money to Hokkaido) で、各チーム工夫を凝らして地元の産業、産品を活かした案を考えてきており、プレゼンを見ているだけで北海道各地の産業、産品に愛着が湧いてきます。

 今年は北海道全域から27校39チーム272名の生徒が参加、3つのリーグに分かれて各リーグ13チームで予選ラウンドを行い、各リーグから上位2チーム、計6チームが決勝進出、勝敗を争いました。

 1チーム3~9名、制限時間7分、発表方法は自由で、プレゼンソフトの他、実演、演劇、歌等もありとなっており、8つの審査項目に従い審査員が採点、その得点で勝敗が決まる仕組みです。私はこの発表方法が自由というのが素晴らしいと思っています。時間配分が難しいのですが、実際に演劇、歌、実演を行うチームがあり、見ていて楽しいです。また、審査項目の一つに「提示内容 (Plan):提案に新規性、創造性があるか (Creativity)」という要素もあり、ユニークなプランを考えることを促しているのも好感が持てます。

 今回優勝したのは北海道札幌国際情報高等学校のチーム「SIT Team T」でした。タイトルは「NEW MATE, Soymite」で、オーストラリアのソウルフード「ベジマイト」を参考に、北海道の名産の一つである大豆から豆腐を作る際の副産物である「おから」を利用した健康食品を開発する案です。ベジマイトとは何かに始まり、北海道にいかに多くのオーストラリア人が訪問しているか、北海道で年間どのぐらいのおからが出来、処理費用にどの程度かかっているか、おからを利用したソイマイトを生産するのにどの程度の費用が必要でいくらで販売するのかといったデータ的なことはもちろん、ソイマイトを塗ったパンを食べてみるというアピールも怠りません。8人のチームワークも素晴らしく、優勝に相応しい発表でした。



 他にも素晴らしいプレゼンが多々ありました。この大会への取り組みは、クラブ活動としてやっている学校もあれば、授業の一環としてやっている学校もあるようで、参加動機も意欲もそれぞれだと思いますが、テーマに即したプランを考え(課題設定)、全体の構成、ストーリーを考え(論理的思考)、リサーチし、場合によっては企業や生産者とやりとりしたりデモ製品を作ったりし、チームメンバーで役割分担して発表することが必要で、まさにPBLと言えます。地元のことを知る良い教育機会ともなっており、北海道以外でも開催されると面白いと思うのですが、どなたかご興味ないでしょうか。



 最後に余談ですが、せっかく北海道に来たので北海道らしいものを食べて帰ろうと夕食で注文したのが、ラーメンサラダ、ザンギ、塩辛じゃがバター、厚岸の牡蠣等々。厚岸は地名で「あっけし」と読み、牡蠣で有名だそうです。ザンギは唐揚げとどう違うのかという疑問はさておき、どれもおいしかったのですが、個人的に最もインパクトが大きかったのは「ラーメンサラダ」でした。なんやそのB級グルメと思ったのですが、札幌グランドホテルという老舗ホテルが開発したメニューらしく、北海道ではどこにでもある定番メニューだそうです。

 また、海外でも国内でもコンビニを物色するのが好きなのですが、ホテル周辺にはローソンが多数あり、そのうちの一つで北海道限定販売のパンを購入、ささやかに北海道らしさを味わいました。実は北海道ではセイコーマート(通称セコマ)というコンビニが最強らしく、次回はぜひ行ってみたいと思っています。

(参考)
第6回 全道高等学校英語プレゼンテーションコンテスト 結果https://kokusaikouryu.jp.net/info/the_sixth_english_presentation_contest_result/

小林 秀行
株式会社Findアクティブラーナー アドバイザー
Dare to Learn アジア代表
一般社団法人Learn for Life 代表理事

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