概要
行き過ぎた指導を防ぐために……不適切な指導が起きやすい3つの場面と、場面ごとの体罰や不適切な指導の防止策を、学校問題を多く扱う高橋先生と一緒に見ていきます。
増加傾向にある、学校と保護者のトラブル。
今回は、そのトラブルの中でも特に、教師から生徒に対しての精神的苦痛・体罰について、学校問題を多く扱う髙橋弁護士にその防止策を教えていただきました。
髙橋先生曰く、トラブルになってしまう指導のケースを見ていくと、多くの場合で、先生方は生徒のために必要だと信じて指導しており、決して生徒に精神的・身体的苦痛を与えたいと思っている訳ではないそうです。
つまり、悪気無く、良かれと思って熱意をもって指導した結果、不適切な指導につながってしまっているのです。善意から生まれる行動は、善意では止めることができません。
そこで、この講義では、髙橋弁護士が実際に関わったケースを紹介しながら、どういう場合に不適切な指導や体罰が起きやすいのかを見ていきます。
そして、その場面ごとに、不適切な指導を防止する具体策を考えていきます。
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髙橋 知典弁護士(以下、髙橋) 皆さん、こんにちは。レイ法律事務所弁護士の髙橋です。今日は、精神的苦痛・体罰について、皆さんと一緒に勉強していきたいと思っています。まず体罰に関しては、よく聞かれるかと思いますが、体罰にどういったことが含まれるのかを簡単に見ておきたいと思います。
体罰には、たたく・殴る・蹴るがあり、これを「有形力」と呼びます。これとはまた別に、長時間正座をさせたり、起立をずっとさせたりと、先生が直接やるわけではないけれど、子どもたちに身体的苦痛を与える指導をしてしまうことも、基本的に体罰と言われています。
皆さんも研修でよく言われると思うのですが、「トイレに行かせない」「ご飯を食べさせない」などがいけないということは、体罰の問題を理解する上で、絶対に必要なところだと思います。
それらは当然、法律によって禁止されているわけですが、身体的苦痛と言っても...
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