概要
“正しい英語”なんて存在しない。正解を探すのではなく、自分の中にマイ・イングリッシュを構築するのが大事!英語教育の権威が今後の英語教育の指針を示します。
大学入試改革だけではなく、教育のあり方についても教育改革の波は押し寄せてきています。その中で英語4技能・5領域の評価や指導法の確立は急務です。
しかし、スピーキング・ライティングのようなアウトプット型トレーニングについては、その実施について大きな課題として残っています。
今、英語教育として何が課題となり、見落としてはいけない課題は何なのか?
英語教育の権威である、ココネ言語教育研究所所長・慶應義塾大学環境情報学部教授の田中 茂範氏にお話しいただきました。
※本講演は、『英語4技能時代の教育~教育現場を支えるAIの可能性~』の第1部、基調講演『マイ・イングリッシュを育てる英語教育』です。
田中 次に、「どう学ぶのか」というパートですが、まず、英語教育がうまくいく条件は何なのかを考える必要があります。つまり、何が満たされれば、英語学習、英語教育がうまくいくのかということです。
結論から言うと、その条件は3つあります。1つ目がLanguage Exposureの質量、2つ目がLanguage Useの質量、3つ目がUrgent Needの存在です。
1つ目のLanguage Exposureとは、英語のインプット量のことです。教科書は百数十ページしかありません。それを1年かけて勉強しても、圧倒的に量が足りないことは明白です。実際には、その何十倍もの量が必要です。
ヒアリングにしてもそうです。しかし、英語のシャワーを毎日浴びれば、英語が分かるかといえば、そんなことはありません。私の知り合いの大工さんは洋画が好きで、「いやあ、田中さん。私はもう30年、洋画を...
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