概要
「新しいのに懐かしい」。幼稚園に実装された学びの空間(状況)デザインを、園長と建築家が徹底解説!さらに、育児・子育て体験サービス「家族留学」を提供する若手起業家とともに、未来の幼児教育を語ります!
第1部
■加藤積一氏 – 懐かしい未来へ
「子ども時代に一番大切なことは、子どもをしっかりやること」。ふじようちえん園長の加藤氏は、見て、触れて、感じて、考えて、行動するといった“体験”を重視し、その機会を与えられる環境を用意しました。「遊び場にあえて遊具を置かない」「同じ遊びを繰り返す子には満足するまでやらせる」そうした中で、子どもが自ら考え育つ教育に、どんな想いが込められているのか注目です。
第2部
■手塚貴晴氏 – 境界のない世界
一級建築士として活躍する手塚氏が、幼稚園の設計に関わり実現したのは「今まで以上に人らしい、自然と一体になるように生活のできる(本来の人間性を取り戻せる)」空間です。人間がジャングルの中で生まれた生物であることと関連付け、外の世界・自然と一体になり過ごすにはどうしたらいいか。多様な仕掛け・工夫をふじようちえんに施し、音響や構造技術的に最先端を詰め込んだ学びの場を紹介します。
第3部
■新居日南恵氏 – 家族留学のススメ~家庭OB・OG訪問~
「子育てをするとはどういうことなのか」「子どもがいる暮らしはどのようなものなのか」。子育てや自分の家族以外の家族を知らない人が、そのまま新たな家族をもち、子育てを始めることに疑問を持った新居氏。就活時のOB・OG訪問やインターンシップといった機会のように、家族や育児を身近に体験できるサービスを、と考え起ち上げたのが、「家族留学」です。若手起業家の考える幼児教育や、20歳で起業したキャリアについても語ります。
第4部
■パネルディスカッション
育児や家族に関する現状や、社会的課題の共有、さらには日本の教育のあり方まで。特に、日本の教育現場で頻繁にみられる、誤った「平等」についての認識や、過保護によって、つまづきや失敗から自力で立ち直る経験をさせられていない環境等踏まえ、幼少期に必要な学びや接し方について議論します。
加藤 最初に、「子どもの育ち」について、たくさんの特徴を言わせてもらいました。このプロジェクトは、佐藤可士和さんというアートディレクターとたまたま知り合ったことから始まりました。
佐藤可士和さんは、我々の話を聞いて、「ああ、分かりました。園長先生、状況をデザインしましょう」と言いました。私は「状況をデザインするのか。面白い言葉だな」と思いました。
その後、可士和さんから手塚先生を紹介してもらい、それを建築としてのデザインに落とし込んでいきました。結局、「学びをデザインする」「状況をデザインする」、そして「建築としてのデザイン」、そのようなことがスパイラルのようにぐるぐる回り、今に至っています。
ものを作る時、我々が建築家に頼むと、「全体は間違いないけど、本当に子どもが育つという状況、空気ができるのかな?」と、どうしても思ってしまいます。それはすごく大切なことなので、...
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