概要
学びとは何か?を丁寧に紐解きながら、理論を実践に落とし込む栃木県立黒磯南高等学校 野澤先生の授業を徹底解説!AとB、2つのパートで成り立つ「2ターム」型授業について、構成や流れ、ポイント等を紹介していきます!
「先生の授業は面白いけど、テストになるとわからない…」
日本史を担当されている野澤先生の出発点は、そんな生徒の言葉からだったそうです。
「授業を受けても点が取れない」。だから「勉強しても意味がない」。
生徒がそう思ってしまうのも無理はないと考えた野澤先生は、
「生徒の頑張りがきちんと見える」=「テストでしっかり点が取れる」ことを念頭に、
さらに「学んだことが自分の人生に活かされる授業」を考案されました。
それが「2ターム」型授業です。
「2ターム」型授業はA・Bそれぞれ50分ずつの二つの授業で1つの問いとテーマを扱います。
この2つの授業を通じて、生徒たちは教科の内容だけでなく、その後の人生に活きる「学び方」も自然と身につけることができる仕組みです。
Aタームでは導入や基礎となる浅い学びを。そしてBタームでは、Aタームで学んだ内容を深めていくのですが、実はそのBの時間では、生徒に内緒で東京大学の入試問題も扱うそうです。
そうとは知らずに生徒たちは、野澤先生の用意した階段を一歩ずつのぼりながら、ついには自分の言葉で答えにたどり着くのです。
最初はまるで解けそうになかった問題も、自分なりに解答できるようになることで生徒は自信をつけていきます。
「できるからやる気になる」という言葉が示すように、「自己効力感」が次への学びの意欲を育むのだと野澤先生は言います。
「自分と学びのつながりが感じられれば生徒は学ぶ意味を見出せる」
生涯学び続ける人間になってほしいという野澤先生の熱い想いがこもった講演です。ぜひご覧ください。
※当日の発表資料は、以下ボタンよりダウンロードしていただけます
野澤 宏光氏(以下、野澤) それでは、「テストとのリンク」というところですが、テストについては、授業で扱った「問い」をそのまま出します。私はこのことがとても大切だと思っています。
大学の定期試験などでも、教授が授業で扱ったものをそのまま出すことがあります。学生はその教授の考えをメモしておいて、テストの時に、「あれだな」と思いながら、なんとなく繋げて文章にしてしまうということがあります。言っていいのか分かりませんが、私の頃はありました。
しかし、これはとても良いなと思っています。なぜかというと、生徒は必ず、「これ、覚えられないよ」「こんな長いの覚えられないよ」と言います。なぜなら、私のテストは、記述問題が2問も3問も出て、点数で言うと5割を超えているからです。
ですが、逆に言うと、これさえやれば赤点は取らないわけです。問題も分かっているし、答えもある程度できているよう...
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