概要
子どもたちの「ウェルビーイング向上」について、2023年次期教育振興基本計画で提言されました。ウェルビーイングを育てるための教育的アプローチである「ポジティブ教育」の第一人者のボニウェル博士が、その歴史と、ブータンやシンガポール、フランス、イギリスなど世界での実践事例、研究結果を紹介します。
日本での取り組みのヒントが多くもらえるはずです!
「子どもに最も望むものは何か?」
という質問に対して、ほとんどの親や先生は「人生の幸せ」と答えるでしょう。
しかし、通常の学校教育では、人生の幸せについて教えるカリキュラムはありません。
人生は学校が教えるよりもはるかに複雑で、難しいものです。
失恋や失業、志望校不合格など、準備ができていないことがたくさん起こりますし、メンタルヘルスの問題も増加しています。
こういった状況で、私たちに何ができるでしょうか。
「ポジティブ教育」に、そのヒントがあります。
欧州におけるポジティブ心理学の第一人者であるイローナ・ボニウェル博士が、子どもたちを幸せにする「ポジティブ教育」の歴史と、ブータンやシンガポール、フランス、イギリス、オーストラリアでの実践例を紹介します。
イローナ・ボニウェル氏
博士(心理学)
一般社団法人 日本ポジティブ教育協会 顧問
仏・ScholaVie共同設立者
英・アングリアラスキン大学大学院 国際応用ポジティブ心理学修士課程 主任ディレクター
《あなたも授業で実践しませんか?》
一般社団法人日本ポジティブ教育協会は、教育現場でポジティブ教育実践・研究を10年以上行っています。「ポジティブ教育」や「レジリエンス教育」についてさらに学びを深めていただける講座を開催中です。詳細はこちらから→www.j-pea.org
イローナ・ボニウェル博士(以下、ボニウェル) 私は17年間、ポジティブ心理学に取り組んできました。ヨーロッパ・ポジティブ心理学ネットワークなど、ポジティブ心理学で様々な展開をしています。国際ポジティブ心理学協会では初期副委員長を務めました。
また、私はたくさん教えていますし、講演活動もたくさん行っています。10年前、イーストロンドン大学でヨーロッパにおける国際的な応用ポジティブ心理学の修士課程を始めました。最近ではアングリア・ラスキ大学でもポジティブ心理学の修士課程も開始し、パリの様々な機関で教えています。
私は最初、大学の教員として学究的な仕事をしていました。しかし年を経て徐々に実際的な仕事もするようになってきています。その実際的な重要な仕事の1つは、ポジティブ教育で、学校を変えて、先生たちを訓練していこうというものです。
他にも、重要な仕事として、私は子ども再婚...
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