概要
弁護士が教える「いじめ」との正しい向き合い方とは? 学校問題を多く扱う髙橋弁護士が、いじめの防止策といじめが起きてしまった場合の正しい向き合い方をお伝えします。
小中学校、高校、特別支援学校におけるいじめの認知件数は32万3,808件と、前年度より9万8,676件増加し、過去最多となりました。
そうした中で、いじめ問題で弁護士の方に相談をし、学校や先生を相手に裁判を起こす保護者の方も増えてきているそうです。しかし、弁護士は全ての案件を受ける訳ではありません。そのいじめに対して学校や先生のとった対応に「不法行為」があると認められる場合に、訴訟を起こすことになります。
では、不法行為とは、一体どのような行為なのでしょうか?
また、いじめの定義も、昔とは大きく変わっています。
学校問題を多く扱う髙橋弁護士に、生徒をいじめから守り、先生を訴訟リスクから守るための「いじめの防止策」と、いじめが起きてしまった場合の「正しい対応」について教えていただきました。
・法律上の「いじめ」の定義とは?
・いじめを防止するために教員としてできること
・いじめの被害児童・加害児童となってしまった生徒たちへの対応
・いじめの実態調査をする際の注意点
など、実際のケースを交えながら考えていきます。
髙橋 不法行為の幅は変わっていないと言いましたが、では実際にどのような場合に責任追及されるのかをご説明します。
先ほど簡単にお伝えした、安全配慮義務について詳しく説明しますと、「ある法律関係に基づいて、特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当事者の法律関係に付随する義務として、これを相手方に対して負っている信義則上の義務」ということになります。
これだけ聞いてもよく分からないと思うので、1つずつ要件を説明していきます。まず、「特別な社会的接触の関係」とは、要は生徒と先生の関係のことです。学校に来ている子たちは、全員これに該当します。そして、この「付随する義務」が大事なのですが、基本的に教育を受けるために来ていますから、教育をすることは当然義務なわけです。
ただ、一方で、その教育を受けるためには、色々な条件が整っていないといけません。隣の人が肩をガンガン叩い...
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