アクティブ・ラーニング型授業の種類と、実践する先生方の狙いや工夫

前回記事にて、アクティブ・ラーニング型授業は、知識や形の前に、先生方の想いを起点として実践していく取り組みであることをお伝えしました。
 
今回は、そんな先生方の想いや考えを実現するための手法として、当サイトでもご紹介してきた実践をもとに、アクティブ・ラーニング型授業の種類について、代表例をまとめていきたいと思います。
 
特に、ここでは各手法の方法論ではなく、当サイトに登場されている先生方が、どのような背景や工夫のもと取り組まれているかについても一部触れていきます。
「数ある中で、どれから手を付ければいいかわからない」「思った通りの授業ができていない」という先生は、ぜひ参考にしてみてください。
(各手法については、今後さらに深堀りした記事を配信していきます!)

ジグソー法、『学び合い』、KP法と実践者の声

まず、以下ではアクティブ・ラーニング型授業を実践する際に用いられる手法として、ジグソー法、『学び合い』、KP法等を紹介していきます。
さらに、その他の形式として発表会(プレゼン)方式や先生オリジナルのスタイルについても触れていきますので、現状に照らし合わせながら関心ある手法をチェックしてみてください。

ジグソー法



グループワークをする際などに、どうしても他人任せにしてしまう子(フリーライダー)も出てくるかと思います。そんな時に、グループ個々人に役割を持たせ、それぞれに必ず他者と関わり、発言やプレゼンの機会を与えるのがジグソー法です。
 
あるテーマについて書かれた数種類の資料を個別に担当させ、各パートごとに話し合い(エキスパート活動)ながら知識を深めます。その後、グループに戻ってから各パートの話をもちより、テーマ全体への理解を深め、別途課題を解決していくというのが一般的な形式です。
 
グループワークはやっているけれど、今一つ盛り上がらない、手ごたえがないという先生は、まずグループ学習の延長上にあるジグソー法を手段として、生徒の主体性に働きかけていいかもしれません。
 
<実践する先生の声>
・ジグソー法では、エキスパート活動の際に小さな指導ポイントや運営の流れを意識することや、取り扱うテーマのレベルや妥当性について工夫しています。そうすることで、日頃の授業でほとんど話さない生徒たちが、気楽に話しをすることができて、自分の意見が取り上げられたと実感している笑顔を何度も見てきました。ぜひ多くの先生に取り入れてもらいたいと考えています。(常葉大学大学院・久米先生

『学び合い』



自分に関わる子どもたちすべてを幸せにしてあげたい、社会に通用する力を身に着けさせたい。そんな生徒想いの先生方が、自身一人の力に限界を感じ、何か良い方法はないかと模索した中で出会うのが、この『学び合い』です。
 
上越教育大学大学院・西川純教授が提唱し、「全員達成」「1人も見捨てない集団作り」等をコンセプトに、授業中、先生の関わる時間を極力減らし、子どもたち主体で課題を解かせ合い、集団としてのゴール達成を目指します。
 
集団での学びや、クラスの誰一人も見捨てないという考え方に共感する方にぜひ知っていただきたい手法です。
 
<実践する先生の声>
・自分が語れば生徒は理解するだろうと思い、細かい部分まで調べ、それを生徒に投げかけていましたが余計生徒が寝てしまいました。授業のあり方に悩んでいた時に、生徒同士が学び合い、理解したとき本当に喜んでいる姿を見て、全ての生徒を理解させるにはこの方法だと確信しました(兵庫県立太子高校・棟安先生
・まずは「生徒たちを信頼すること」です。「この子たちはできる」という信念を持つと、生徒は本当にやってくれますし、逆に信念がないと先生自身に「できないのでは」という不安が生じます。スムーズに進行すると信じて実践することです。(亘理町立逢隈中学校・岡崎先生

KP法



KP法は、黒板ではなく、あらかじめ紙に授業の内容をまとめておき、進行に合わせ黒板やホワイトボードに貼り付けながら説明していく手法です。
 
こちらは主に、板書する時間を短縮化することが狙いとなっており、アクティブ・ラーニング型授業を実施する上で、生徒の活動時間をより確保するべく取り入れられています。
一般的にはB5~A4サイズの用紙1枚につき10文字×3行ほどで要点をまとめおき、使い方によっては生徒にも紙にまとめさせ、張り出しながら授業への理解や進度を確認していきます。
 
<実践する先生の声>
・KP法のいいところは、授業前に作っていると自分の頭の中がまとまり、どこを中心に説明してあげればいいか、こういう質問がくるのではないかと想像しながら整理できるところです。(目黒学院高等学校・藤牧先生
・アクティブ・ラーニングをするためには説明する時間を短縮化しなければいけないので、KP法を用いてグループ活動をさせる時間を作っています。(聖学院高等学校・児浦先生

その他手法、形式

手法として確立されている訳ではありませんが、各先生がクラスの状況やレベルに合わせ、従来からある形式、またはオリジナルに生み出した教授法で、子どもたちを主体的に関わらせる取り組みもあります。

発表会(プレゼン)形式



こちらは、三浦学苑・佐々木先生の現代文の授業です。
単に発表させるだけではなく、ここまでに自分の考えを作文にまとめさせ、グループ内で共有しながら添削し合うというように、段階的に発表までの準備を整えていきます。

次段階では、グループ内発表で質疑応答を重ねながらブラッシュアップし、最後は自分のお店を構えるイメージで、聞いてくれる人を集め発表するという形式です。
発表前に四方に散らばり「誰か聞きに来てー」と呼び込みをしながら、まず聞いてもらえる環境を自分で作ってから話し始めるため、ただクラスの前で発表するだけでないユニークな工夫がなされています。

クイズ形式



一度はこんな授業してみたいと思わずにはいられないのが、岡山学芸館高等学校・小笠原先生の「公民ONEグランプリ」です。

もう1ランク上のレベルで記憶の安定化をはかりたい、暗記を40人が集まる時間でやってもあまり意味がないのでは。そんな思いから、みんなでなければ得られないものを授業に取り入れたいとし、このクイズ大会を始められたそうです。
 
チーム対抗で行われるため、そのレベルを揃えるとこだけ準備は必要だそうですが、その他、授業中はライブ感を大切にし、生徒との対話に重きを置いているのだそうです。

これら“手段”をどう活かすか? 

本記事であげた手法、形式の中に、今後取り組んでみたいとするもの、アレンジして今の授業に活かせそう、といったものはありましたでしょうか。
繰り返しとなりますが、これら手段を手段として活かすためには、先生方の考えや思いが重要です。

目の前の生徒を主体的にしたい、関わった生徒を幸せにしたい、授業の中で生徒の笑顔がみたい。
何も崇高な哲学、思想が必要というより、そうした先生自身の率直な思いを突き詰め、現状のクラスと突き合わせた時に、初めてそのクラスにとって最適な手法が見えてくるかと思います。

方法論だけでなく、どの先生がどういった背景や狙いを通して実践されているかに目を向けながら、アクティブ・ラーニング型授業の活用をぜひ進めてみてください。

また、今回取り上げた当サイト内の手法、形式以外にも、アクティブ・ラーニング型授業には様々な種類や技法があります。
実施レベルが簡易なものから複雑なものまで、一覧にするとより多種多様です。

(出典:A Tool for Measuring Active Learning in the Classroom (PDF Download Available) : https://www.researchgate.net/publication/5847892_A_Tool_for_Measuring_Active_Learning_in_the_Classroom

上記図のどれか、もしくは組み合わせも考えられると思いますので、ぜひ参考にしながら授業改善のツールにお役立てください!

※各手法の実践例(授業動画)は、「Find!アクティブラーナー学校導入版」にてご覧いただけます

(Find!アクティブラーナー編集部)

※アクティブ・ラーニングに関する基礎知識や概要をインプットするなら、「アクティブ・ラーニングとは ~基礎・基本を事例含めご紹介~」ぺージも一緒にご覧ください

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