アクティブ・ラーニング課題解決シリーズ 2!「評価の仕方」について

アクティブ・ラーニングの課題を取り上げ、実践者からそのヒントを探るシリーズ!第2回目は、「評価の仕方(成績の付け方)」です。

学習指導要領の改訂に伴い、学習評価が現行の4観点から、三つの柱(「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」)に沿った3観点に整理されました。
特に、アクティブ・ラーニング型授業は、3つ目の「主体的に学習に取り組む態度」を測るに欠かせない視点です。

従来の定期テスト含め、より多様な取り組みから評価が求められる中、アクティブ・ラーニング型授業を実践する先生方は、こうした評価をどう捉え、どのように行っているのでしょうか。

他の先生方の事例を、“より詳しく”知れるインタビューコンテンツより、今回は「評価の仕方」についてピックアップしていきます!

テスト、自己評価シート、ルーブリックの3つの方法

アクティブ・ラーニング型授業の評価には、以下3つの方法が主なものとしてあげられます。

・定期テスト、小テスト
・自己評価シート
・ルーブリック、評価基準表

まず定期テストはもちろんですが、小テスト等はアクティブ・ラーニング型授業を実施した後に、その学びが定着したかを測る(学びを担保する)意味で多くの先生方が取り入れられています。

また、特徴的なものとして、自己評価シートやルーブリックがありますが、これらはテストと併用して評価に用いられるのが一般的です。
アクティブ・ラーニング型授業の目的や狙いに沿ってそれぞれ実施されており、各先生の取り組みから、その様子を伺うことができます。

評価方法1「定期テスト、小テスト」

1つ目は、定期テストや単元ごとの小テストで測る方法です。

文部科学省の掲げる「主体的に学習に取り組む態度」は、アクティブ・ラーニング型授業内での、子どもたちの取り組みから評価することができます。

しかし、「主体的に学習に取り組む態度」が身に付けば、自然とそれがテストの結果にも反映されると考え、あえてアクティブ・ラーニング型授業を実施しながらも、評価はテストのみで行う先生もいます。

東大阪市立花園中学校・福島哲也先生

(インタビューより抜粋、要約)
一斉授業の評価と今の『学び合い』によるアクティブ・ラーニング型授業の評価は、実は変わりません。「僕は何を評価するか」を4月の最初の授業で子どもたちに全部伝えています。例えば、「宿題プリント、4月のワーク、確認テストなどで評価するよ」ということを全部見せています。
評価は「理解したか、していないか」でつけているため、2週間に1回は確認テストをして、合格点をとれるまで繰り返し行い間違った理解で進まないようにしています。

東大阪市立花園中学校・福島哲也先生インタビュー

授業態度やノート提出なども評価には含まず、アクティブ・ラーニング型授業の成果は、純粋に確認テストなどにしっかり反映されているかで評価を行っています。

評価方法2「自己評価、振り返りシート」

静岡県立駿河総合高校・鈴木庸介先生

(インタビューより抜粋、要約)
定期テストがありますので、その部分は当然のことながら入ってきます。あとは今日もやったのですが、振り返りシートですね。自己評価も加えていくという点で、いまそれを点数化していくという方法に取り組んでいます。
具体的には、生徒たちが自身を振り返った時に、あくまでその授業の狙いをどれだけ達成できていたか、狙いに対して上手くいったのか、という点は当然評価に入れていきます。
また、今回のワークシートでいうと、学力だけでなくヒドゥンカリキュラムとして、「どれくらい他者と積極的に関われたか」「集団に対してどれくらい貢献できたか」という部分も評価につながってきます。

静岡県立駿河総合高校・鈴木庸介先生インタビュー

定期テストに加え、アクティブ・ラーニング型授業での取り組みを先生だけでなく、生徒自身にさせている事例です。また、授業で扱うワークシートごとに、学力以外の評価項目も設定しています。

聖徳学園中学校・石田恒平先生

(インタビュー抜粋、要約)
多く発言できる子もいればそうでない子もいるため、グループには毎回プリントを渡し、今回どういうことをしたかを記入する振り返りシートを書かせています。
また、グループ内で目立たなくても、授業内で行った作業において、一人ひとりの取り組みをなるべく評価しながら採点することを意識しています。

聖徳学園中学校・石田恒平先生インタビュー

美術の授業を担当されている石田先生は、グループワークにおいて、取り組み方や熱心さ、班長や副班長の献身的な振る舞い(いいアドバイスをして陰でグループを支える)などを評価対象にしています。
配点としては、6~7割は作品の点数、残りを取り組み方、発言の良さ、グループのまとめ方など、作品以外の生徒たちの活動としています。

評価方法3「ルーブリック、評価基準表」

目黒学院中学高等学校・藤牧朗先生

(インタビュー抜粋、要約)
ルーブリックですが、これが一番問題になる部分かもしれません。ここにあるようにルーブリックは、生徒たちの「学習法」を作る役割と、「続けられるルーブリック」を非常に意識しています。
特に、「続けられるルーブリック」にするためには、問題自体を小さく作ります。そすることで、ルーブリック自体も具体的に細かく書け、短時間で作ることができます。

仕掛けと仕組みで生徒を巻き込むアクティブ・ラーニング型授業とは?

藤牧先生の定期テストでは、問題すべてが記述式になっており、その設問ごとにルーブリックを作成されています。
また、それを必ずテスト前に配布することで、評価基準を共有すると同時に、どんな視点で問題を捉えて欲しいのか、教員側の狙いを伝える役目も果たしています。

※動画視聴や実際に現代社会の授業で用いられたルーブリックなどの資料ダウンロードは、有料会員(※初月無料キャンペーン実施中)の方のみご利用いただけます

トキワ松学園中学校・岩谷奈美先生

(インタビュー抜粋、要約)
成績をつける時には筆記テストの他に、提出物や発表活動も平常点として、全て数値化して入れています。生徒にはこれらの発表活動の点数について、教員が主観で付けているものではないと明確に示すためにポイント制を取り入れています。「誰が何を言ったら何ポイント」という表を配って、生徒たちはそれを使って練習します。

トキワ松学園中学校・岩谷奈美先生インタビュー

評価基準を明確にしたポイント表を作成し、それを生徒に共有しながら評価を行っています。ルーブリックという言葉ではありませんが、生徒たちが何をすれば評価されるかを理解させる手段として、ポイント制という仕組みは興味深い取り組みです。

評価があるからこそ授業が成り立つ

アクティブ・ラーニング型授業の評価方法については、多くの先生が現在進行形で試行錯誤を続けられています。

前提として定期テストなどでは測ることが難しい「学びに向かう力」や「人間性等」は、アクティブ・ラーニング型授業だからこそ伸ばせ、評価できるもの。

ただその反面、新しい取り組みでテストの成績が落ちれば、学内や保護者から懸念が寄せられることもあり、アクティブ・ラーニング型授業をしながらも、きっちり成績も残さねばならないという難しいかじ取りを迫られています。

そこで、取り組みの出口(ゴール)として、評価指標や目標、評価の仕方が決まっていることは、最低限何をすべきか、何のための取り組みかを明らかにし、その時間の学びを担保する上で欠かせない要素となります。

授業の準備や運営方法も、まずはこの評価の部分から逆算していくものでもあるため、様々な先生の実践を学び、参考となる授業を成り立たせている評価についても、ぜひチェックしてみてください。
 
(Find!アクティブラーナー編集部)

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