アクティブ・ラーニングの課題解決シリーズ!“2つ”の「時間がない」問題はこう改善する!

「今日のお昼ご飯は、さっき食べました(17:32時点)」
「帰って椅子に座ったところで、今日一度も座らなかったことに気付きました」
「時間はいくらでもありますよ、家に帰ればですけど、、」

これまで多くの先生方とお会いし、多くの言葉を交わしてきた中で、あいさつ代わりになっているフレーズ。それが 「時間がない」 です。

「時間のなさ」については議論の余地もありませんが、今回は特に、アクティブ・ラーニングの実践で生じる“2つ”の「時間がない問題」について、当サイトにご登場する先生方から、改善策やリアルな事例をご紹介していきます!

2つの“ない”!それは、「準備の時間」と「授業時間」!

授業を即興で作り上げられる方や、抜群のファシリテーション術で時間管理のできる方なら、本記事から得られることは少ないかもしれません。

ベテラン教員の方であれば、そうした立ち振る舞いも可能かもしれませんが、少なくとも若手や新任教員であれば、準備なし、実践の勘所なしに新しいことに取り組むことは難しいはずです。

アクティブ・ラーニング型授業の様に、従来とは異なる教授法を進めていくなら尚更のこと。必要な準備や授業をつつがなく運営するスキルは、どう磨いているのか。もしくは、時間がない中でどのような工夫をされているのか。

そういった点を、当サイト掲載の先生インタビューからそれぞれピックアップしていきます!

準備の時間がない!への対処法

全国調査からもわかるように、「授業準備の時間が足りない」という悩みは、全国の先生、特に小学校教員の中では94.5%もの方が感じられています。


(出典:愛知教育大学受託調査 教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト 特別プロジェクト 教員の魅力プロジェクト 「4.教員の仕事の魅力と悩み」)

すでにそうした状況の中で、実際にアクティブ・ラーニング型授業に取り組まれている先生は、どんな準備をされているのでしょうか。

インタビューの中では、準備にかかる時間自体はやや減った、もしくは以前(従来型の授業)と変わらずに、用意するプリントや資料作りのポイントが変わったとする先生方が多くいらっしゃいました。

以下では、当サイトの中でも複数の先生方が挙げていた、準備のポイント・コツをご紹介します。

必要な人が必要な情報を入手できるプリント作り(筑紫野市立二日市中学校 坂田康亮先生)

プリント学習に関しても、なるべく情報量を少なめにしたり、課題をクリアするために必要な科学的知識などを別プリントで準備したり、必要な人が必要な情報を取れるような状態にする工夫に変わったかなと思います。
いわゆる教師が話そうとしていることは、全部プリントに書いている状態です。そのように準備が変わりました。

筑紫野市立二日市中学校・坂田康亮先生インタビュー

授業準備の仕方に変化はあったか?との問いに、上記のようにプリントの準備の仕方が変わったと答えられているのが坂田先生です。10年間『学び合い』を実践してきた中で、授業準備は課題を出した際の子どもたちの動きまでイメージしながら行っているそうです。

また、坂田先生のインタビューぺージでは、本授業で利用されているプリント4枚をダウンロードしてご覧いただけます。
どのようなプリントか参考にしていただくことで、みなさんの授業にもそのエッセンを取り入れてみてください。

子どもたちに予習をさせることも準備のひとつ(武雄市立武内小学校 千々岩宏幸先生)

最近よく行っているのは、子どもたちに予習をさせています。子どもたちが少しでも知識を持って話し合いに臨めるようにするためです。

武雄市立武内小学校・千々岩宏幸先生インタビュー

一見、子どもたちに予習させるのが準備?と思われるかもしれません。しかし、先生が授業の準備をするだけでなく、子どもたちにも次の授業の予習(準備)をさせることで、必要以上の補助教材等を用意せずに授業をスムーズに運営することができます。

子どもたちが次に何をすればいいか分かる状態をつくる準備(上越市立安塚中学校 木花一則先生)

月予定を先に子どもたちに渡したり、3時間分の課題を渡したりなど、常に次何をすればいいか分かる状態にしています。そうすると結局、子どもたちは先が分かりますので、今やるべきことも分かってきますし、それが家庭での学習や準備に繋がっていくので、そこを大事にしています。

上越市立安塚中学校・木花一則先生インタビュー

自分たちで授業を進めていく、という空気や意識を醸成できると、子どもたちは少しずつ自分から学んでいくようになります。その妨げにならないように、従来の進度に添ったプリントだけでなく、少し先の課題も準備しておくことで、次に何をすべきか分かる状態を作り出し、安心して学習を進められる準備もポイントです。
 

授業時間がない!の対処法

・子どもたち同士の話しが盛り上がって、なかなか話がまとまらない
・ワークの時間がズルズル長引いてしまう
・つい説明したくなり、教員側の話がメインになってしまう

ただでさえ短い授業の中で、その時間を子どもたちにゆだねることは、円滑な授業運営をする上で一番難しい部分です。そこをどう教員側が握り、しっかりと1時間の授業として成立させるのか。
ここでは多くの先生が、いかにして「メリハリ」をつけられるか、という点に工夫を凝らしていることをご紹介します。

タイマーを使ったタイムマネジメント(茨城県立結城第一高等学校 澤幡泰広先生)

時間を区切ってやっていくことは良いのかなと思っています。タイマーを使ったり、電子機器でスクリーンにタイマーを投影して、いつでもこの時間を確認しながらやったりすれば、メリハリがつくなと感じています。

茨城県立結城第一高等学校 澤幡泰広先生

授業が終わらない、ダラダラ続いてしまう。そんな状況であれば、シンプルながら絶大な効果を誇る、タイマーを導入してみてはいかがでしょうか。
多くの先生は時間管理をする際に、手元の腕時計や教室の時計を使われるかもしれませんが、一目でわかるデジタル時計や音の出るタイマーは、アクティブ・ラーニング型授業を実施する教室の多くで導入されています。

教室を一瞬で静かにさせる挙手でお口チャック(古新舜氏)



(田原真人氏・古新舜氏)オンラインコミュニティによる学び

映画監督であり、駿台予備校でも約10年間物理講師の経験を持つ古新舜氏。同氏は現在、学校等で独自の特別講座を行っており、その際、グループワークを一瞬で終わらせる(静かにさせる)手法を実践しています。

それは、ワークを終わらせる際、古新氏自ら手を挙げ、それをみた子どもたちにも手を挙げさせ、会話や討論を終了させるというものです。

発言するための挙手ではなく、「あなたの話を聞きます」という意思表示のための挙手であり、このシンプルな動作で、教室内の活動にメリハリをつけています。
 

ワークを活発化させ時間内に課題を完了させる手法(東京都立科学技術高等学校 森田直之先生)



東京都立科学技術高等学校 森田直之先生インタビュー

限られた時間の中で、子どもたちのコミュニケーションを活発化させたい。時間内にゴールまで到達させたい。無駄に時間を延ばさずとも、時間内にゴールまで到達させたい。
教室内をオフからオンに切り替えるちょっとした工夫が、「席を立たせてワークをさせる」という方法です。

これは森田先生ご自身が、ワークショップに参加した際その効果を実感し、教室にも取り入れたところ抜群に機能することを発見しました。
グループワークなどにまだ慣れていない環境であれば、まず刺激を与える意味で立たせて実施してみるといいかもしれません。

時間もない!知恵も出ない!であれば、まず実践者を真似してみては

子どもたちにもっといい授業をうけさせたい、そのためにスキルを磨く時間、勉強する時間がほしい!それでも私生活だって回さなければいけない、、

そんな時間のない先生方が、アクティブ・ラーニング型授業に取り組む際、まず参考にしていただきたいのが他の先生方の事例です。

準備にしても授業時間の有効活用にしても、すでに取り組まれている先生方が、ある種のヒントやフィードバックを伝えてくれています。

特に、今回ご紹介したポイントやノウハウは、比較的すぐに実践できるものでもあり、まず取り入れてみることを強くおすすめします。
その結果、これまでの悩みが解決できれば何よりですし、そうでなくても少しの試行錯誤が、必ず次の改善やアクションにつながります。

時間が限られているからこそ、すでに活用できるノウハウ、知見は最大限活用し、個々での新たな解を見つけ出してみてください!
 
(Find!アクティブラーナー編集部)

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