アクティブ・ラーニング課題解決シリーズ3!「保護者からの理解」について

「保護者がなかなかアクティブ・ラーニングに理解を示してくれない、、」
「子どもたちは楽しいと言ってくれているが、実際に親が観た時どう感じるものなのか、、」

アクティブ・ラーニング型授業を行う際、児童生徒たちはもちろんですが、保護者の反応もまた気になるという先生も多いのではないでしょうか。

従来とは異なる授業形態に、保護者の方々はどんな印象を持たれるのか。そして、その意図や背景を理解してもらうとなると、他の先生はどのように対応されているのか。

今回はこの取り組みに対し、保護者から実際に寄せられた声や反応を、先生インタビューの中からご紹介していきます。
そこから、学校や先生として準備すること、伝えるべきことを明確にし、保護者からも“応援される”アクティブ・ラーニング型授業を行うためのヒントをお伝えします!

実は好意的!?実例や調査からわかるアクティブ・ラーニングへの期待

「保護者からのクレームはこの3年間、一度もありません。」

花園中学校・福島哲也先生インタビュー前編

「保護者からも、否定的な意見はあまり聞かないです。(中略)授業参観をご覧になった保護者の皆さん、「面白かった」と書いてくださり、好意的なのではと思います。」

トキワ松学園中学校高等学校・岩谷奈美先生インタビュー

「(保護者から否定的な意見を受けるか?という問いに対し)特にありません。保護者の方と話をさせていただくと、勿論、受験勉強はしっかりしてほしいけれども、この授業の重要性も非常に分かるというお話でした。」

宝仙学園小学校・加藤朋生先生インタビュー


公立から私立、直近で始めた先生からすでに数年取り組まれている先生まで。
今回は、保護者からの反応についてお伺いした先生のみ取り上げていきますが、まず気づくのは、否定的な意見をもらっている先生方はそこまで多くないということです。

新しいことはなかなか受け入れてもらえない、親自身が受けたことのない授業をどう見せたらいいか。。
そんな懸念や不安を抱える先生方にとって、あくまで一例ではありますが、基本的にはアクティブ・ラーニングに対し、肯定的な意見や理解を示す保護者も多いと認識していただける結果かと思います。

保護者を対象にした調査からも分かる関心の高さ

その背景には、保護者の教育に対する関心の高まりも一因としてあげられます。


(出典:公文教育研究会「「家庭学習調査 2017」を実施 母親と父親「子どもの生活や学習への関わり方」の違いとは?」3ぺージ目より)

公文教育研究会の調査では、まず「アクティブ・ラーニング」への評価がそもそも高いことや、これから身につけさせたい素養として、「コミュニケーション能力」「社会性・協調性」「チャレンジ精神」「積極性」というワードがあがっていること。

そして、デジタルアーツ株式会社の調査からは、アクティブ・ラーニングへの認識として「積極的にコミュニケーションする力を身につけさせる」「人前で発言・発表する場を経験させる」といったイメージを持たれている保護者が多いことがわかりました。

社会変化や教育改革により、子どもの将来に関心が高まってきた中、保護者も期待する素養を身につけられるとする取り組み(アクティブ・ラーニング)に注目が集まるのは、至極当然のことかもしれません。

保護者を巻き込み味方につける2つのアプローチ

ではこうした状況の中、さらにアクティブ・ラーニングを推進していけるよう、保護者に“理解してもらう”だけでなく、“応援してもらえるようにする”には、どうしたらいいのでしょうか。
別のインタビューから、アクティブ・ラーニング型授業の実施に際し、2つのアプローチで、保護者の信頼や支持を得ていることがわかりました。

それが、

1,アクティブ・ラーニング型授業の質を高めること
2,先生や学校側から情報発信すること

の2点です。

1,アクティブ・ラーニング型授業の質を高めること

まず1つ目のアプローチは、一見当たり前のように思われるものかもしれません。
しかし、実際にアクティブ・ラーニング型授業を「質が高くて良い授業だ」と評価する保護者は一握りで、関心が高くとも授業の良し悪しは、多くの親にとって判断しかねる部分です。

もちろん成績で判断することはできますが、実はもっと日常的に、質の高さを保護者が実感でき、信頼につながるケースがあるのです。

それが、「今日、学校どうだった?」と親からの問いに対する、子どもの返事に隠されていました。
 

親が『学び合い』という言葉を知っているか分からないですが、子どもが家に帰ってきて、「こんな授業してるんだよ」と言っていると思います。それをやはり受け入れてくれるのは、子どもが「『学び合い』って授業楽しいんだよ」とポジティブに親に言っているからなのかなと思います。

例えば、「『学び合い』が嫌だから」というように家の人に言っていたら、たぶん「先生、『学び合い』、アクティブ・ラーニングやめてください」と言われると思うのですが、今のところそれがないので、やはり子どもたちは本当に『学び合い』が好きなのだなと感じています。

宗岡第二小学校・鈴木智久先生インタビュー 

(中略)家でのその話の続きに、たぶん「先生は何も教えてくれへんけど、めっちゃ数学おもろいねん」とか、「数学の点数上がってきた」とか言ってくれているので、親としては「あんたが良いって言うんなら良いんちゃう」、「しかも伸びてきてるやん!」となるのでしょう。

しかも、数学の度数分布がぐっと上に上がってきているので「これ、あんただけちゃうの!?みんな上がってきてるのすごいな!」、「先生ほんまになんもしてないの?」となるわけです。

花園中学校・福島哲也先生インタビュー後編


上記のように、実は、保護者に対するアプローチとしながらも、いかに子どもたちにアクティブ・ラーニング型授業で充実感や自身の成長を実感させてあげられるか。
そこがカギとなり、教育に関心はあるものの、詳しくないとする保護者の方の信頼に結びついていく。このことは、一つの視点として持っておくといいかもしれません。

2,先生や学校側から情報発信すること

また、2つ目のアプローチである「情報発信」については、主に学校のトップ(校長)や管理職、学年主任の先生からの発信が重要になってきます。

以下コンテンツでは、自校の取り組みから実際にどのような情報発信、呼びかけをしているかを2名の校長先生がお話されています。


第8回学校ソリューションセミナー (4) 質疑応答~講師ディスカッション~その1
※プレミアム・ダイヤモンド会員限定動画となります、詳しくは→コチラ

本動画では、茨城県立並木中等教育学校・中島博司校長先生と、京都府立園部高等学校・前野正博副校長先生が、会場からの質問として、アクティブ・ラーニングを保護者に理解してもらうために必要なことをそれぞれ語っています。

ここでは、中島校長先生のお話を一部抜粋すると、上記質問に対して以下のように答えられています。

ポイントは2つあります。1つは、未来が大きく変化していることをお伝えすることです。もうすでに変化していると思いますが、これから生徒たちが行く近未来は、仕事のやり方についてもこれだけ変化するというようなことをお示しすることです。もう1つは、新テストのことです。現実的ですが、新テスト対策についても少しだけ話します。

私の場合、保護者の方に語りかけるだけではなく、校長通信「並木ドリーム」をたくさんの保護者の方が見てくださっているので、そこに生徒向けに話したこともほとんど載せています。生徒のみならず、保護者、他の学校の先生方、そして一般の方の皆さんに向けて発信していますので、色々な視点で書いてあります。


なぜ何のためにアクティブ・ラーニングが必要なのかを、未来の社会変化や直近の新しい入試「大学入学共通テスト」の話題に触れてお話しすること。
また、それをどう届けるかについて、PTA総会や懇親会の場だけでなく、校長通信という手段をもって伝えることなど、具体的な取り組みを紹介されていました。

学校側がどういうスタンスで取り組んでいるのか、そして教育業界全体が文部科学省含めどういった狙いでアクティブ・ラーニングを広めようとしているのか。

それを共通認識にできるのは学校のトップであり、その土台があってはじめて保護者もアクティブ・ラーニングはもちろん、学校の取り組みに信頼を置けるようになっていきます。

保護者にはAL型授業の必要性を説くこと、子どもたちには意義を伝え、その良さや効果を実感してもらうこと

これらの他にも、インタビュー内ではもし保護者から否定的な意見が出るとしたら、こうした声があがるだろうという点についても収録しています。

例えば、授業がアクティブ・ラーニング型の授業だけになってしまうのでは?というものや、生徒主体の形式で、本当に授業が成り立つのか心配されるというものです。

ただその点も、あくまで保護者側に正しい情報が伝わっていないだけで、従来の一斉講義型を無くすわけではないことや、その中で先生が必要に応じて介入し学びを促している、という点をきちんと説明することが重要だとしてます。

何が不安で何に心配しているのか。向き合う保護者の方の気持ちを察する上でも、事前にどのような反応が予想されるか、なぜその対応、アプローチが効果的なのかを知り、考えておくことは、似たようなケースにも落ち着いて対処できることにつながります。

ぜひ本記事のインプットから、保護者、そして児童生徒たちも巻き込み、アクティブ・ラーニングを気兼ねなく実施するための一歩を踏み出してみてください!
 
(Find!アクティブラーナー編集部)

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