概要
オランダの教育について10年以上研究してきたリヒテルズ直子氏が、欧米諸国の多くで実践されているシチズンシップ(市民性)教育について、ご紹介します。
グローバル化、情報化社会の流れの中で、多様な価値観を持つ人同士が互いに尊重し合い、
共同し協力して生きていくために、相互理解や対立を解決する力を育むシチズンシップ教育。
オランダの小学校の約10%が取り入れている「ピースフルスクールプログラム」や、フィンランドで始まり、ヨーロッパ各国で普及しているいじめ対策プログラム「KIVA」など、代表的な教育プログラムをご紹介しながら、日本の学校でも取り入れられるエッセンスをご提案します。
リヒテルズ 直子氏 シチズンシップ教育が生まれてきた背景ですが、西洋一般の社会や日本も含めて、大都市など消費行動が大変進んでしまった社会の中では、次のような雰囲気が広がっていると思います。
「自分さえ良ければよい。人のことは気にしなくて、ケンカが起きたり、コンフリクトが起きたりしても当たり前のことだ。みんなそういうふうにやってるじゃないか。勝手な社会になってるじゃないか」というものです。
それは、子どもたちの間だけではなくて、大人社会にも同じようなものがあり、そうした中で育っていく子どもたちは、なかなか他人のことを考えられなくなります。他の人と一緒に共同して生きることを考えられなくなっているという1つの背景があったと言えます。
もう1つは、皆さんもご存じの通りグローバリゼーションです。グローバル化という大きな流れの中で、一方ではたくさんの外国から情報が入ってきて、色...
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