概要
オランダの教育について10年以上研究してきたリヒテルズ直子氏が、欧米諸国の多くで実践されているシチズンシップ(市民性)教育について、ご紹介します。
グローバル化、情報化社会の流れの中で、多様な価値観を持つ人同士が互いに尊重し合い、
共同し協力して生きていくために、相互理解や対立を解決する力を育むシチズンシップ教育。
オランダの小学校の約10%が取り入れている「ピースフルスクールプログラム」や、フィンランドで始まり、ヨーロッパ各国で普及しているいじめ対策プログラム「KIVA」など、代表的な教育プログラムをご紹介しながら、日本の学校でも取り入れられるエッセンスをご提案します。
リヒテルズ 直子氏 シチズンシップの「シチズン」という部分は、「市民」という言葉ですが、まず市民とはいったい何でしょうか?市民と言えば、皆さんがすぐに思いつくのは、自分が住んでいらっしゃる〇〇市、そうした市での市民と考えられると思うのですが、ここで言っている市民は少し違います。
単なるある地域に住んでいる住民とか、市役所の窓口にやってくる市民といった言葉ではなく、市民という概念は、ヨーロッパではギリシャのアテネ国家、都市国家の時代からあった概念です。
そのように言えば、皆さんすぐに思いつかれると思うのですが、当時は自由を認められていた市民と、自由が剥奪されていた奴隷、2つの人間のグループがありました。
その時代に、市民は自由を持っていたのですが、この市民たちは、自由と同時に責任も持っていました。そこで、この責任の部分がシチズンシップに関わる部分なのですが、自由に生き...
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