概要
オランダの教育について10年以上研究してきたリヒテルズ直子氏が、欧米諸国の多くで実践されているシチズンシップ(市民性)教育について、ご紹介します。
グローバル化、情報化社会の流れの中で、多様な価値観を持つ人同士が互いに尊重し合い、
共同し協力して生きていくために、相互理解や対立を解決する力を育むシチズンシップ教育。
オランダの小学校の約10%が取り入れている「ピースフルスクールプログラム」や、フィンランドで始まり、ヨーロッパ各国で普及しているいじめ対策プログラム「KIVA」など、代表的な教育プログラムをご紹介しながら、日本の学校でも取り入れられるエッセンスをご提案します。
リヒテルズ 直子氏 さて、ピースフルスクールプログラムの第3の特徴は、「生徒メディエーター」です。日本語にあえて訳すと、「ケンカの仲裁者」になるかと思います。先生ではなくて、生徒が仲裁をするところがこのピースフルスクールのミソです。
なぜ自分たちで解決するのかは、先ほど、私はこのピースフルスクールのプログラムの最初に、ヨーロッパのシチズンシップ教育は、民主的なシチズンシップ教育である。それはデモクラシーをベースにしていると言いました。
デモクラシーという体制の中では、誰かが誰かより偉いや、誰かがより権力を持っているということは、基本的に認めません。みんな市民として平等だということが出発点です。そうなると、大人になってもケンカをした時に、どこかに先生のような上の立場の人はいないということが前提になります。
なので、子どもたちは、まだ大人が見守ってくれている中で、この解...
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