概要
ADHD、ASD、LD。「発達障害」と聞くと、つい、一部の特別支援学級や養護学校を思い浮かべるかもしれません。
しかし、文部科学省が過去に実施した調査の中で、発達障害の可能性がある児童生徒が、“通常学級”においても約6.5%いることが明らかになりました。
・「何度注意してもフラフラしていて、落ち着きがない。」
・「どうも会話がかみ合わないし、周りとうまくやれていない。」
・「一生懸命聞いているのに、言っていることが伝わっていない。」
教室で気になっていた児童生徒たちも、実はその6.5%の子どもたちだったら。。
本人たち自身もまた、上手くいかないことにただただ悩み、苦しんでいるとしたら、先生には一体、何ができるのでしょうか。
今回は、特別支援教育の第一人者、原田浩司先生(宇都宮大学大学院准教授)より、発達障害理解のための基礎講座をお届けします。
全5回のシリーズで、発達障害に関する基礎知識から、各障害における特徴などを事例含めご紹介する本作。
【全5回(各回約10分)】
・1回目 特別支援教育の基礎講座
・2回目 ADHD(注意欠陥多動性障害)の理解と対応
・3回目 ASD(自閉症スペクトラム障害)の理解と対応
・4回目 LD(学習障害)の理解と対応
・5回目 不登校の理解と対応
さらに各回の終わりには、事例を通じた発問もありますので、そちらを活用した校内研修も可能です。
動画視聴約10分、発問をもとにしたグループワーク10分、発表10分の計30分間のプログラムなどであれば、明日からでも取り組んでいただけます。
発達障害を抱える児童生徒たちの存在が、特定のクラスだけのものでない、ということがわかってきた今だからこそ、“通常学級”における、全学的な特別支援を進める教材として、ぜひご活用ください!
<第2回目 ADHD(注意欠陥多動性障害)の理解と対応>
原田 特別支援教育講座、第2回目では、「ADHD(注意欠陥多動性障害)の理解と対応」について考えていきます。今回のポイントは、2つあります。1つ目は、ADHDの生徒がいる教室で、ありそうな2つの場面を見てもらいます。
その2つの場面を比べ、教師の対応により、生徒たちと配慮すべき生徒との関係がどのように違うかを、皆さんで話し合ってもらいたいと思います。
前回、ADHDのことについて少し触れましたが、もう一度復習します。3つのポイントを覚えておいてください。
1つ目は、「多動であること」です。特に、小学生はじっとしていられません。すぐに離席をしてしまったり、立ち上がったりします。隣の子とおしゃべりが止まらなかったり、あるいは、鉛筆や消しゴムで遊んだりす...
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