中学校:2年生、技術・家庭
単元:エネルギー変換の技術「アジアの都市のための自動車モデルを提案しよう」
学校名:東京学芸大学附属国際中等教育学校
先生名:馬田大輔
授業の流れ:
5分:本日の流れおよび各所注意点の確認、評価について
5分:評価シート記入および提出(グループワーク)
40分:プレゼン準備(グループワーク)
8分:評価の説明と評価項目検討
20分:グループプレゼン
10分:評価
12分:投票・まとめ・振り返り
※2時間連続の授業
授業を行う上での注意点や事前準備
<単元における工夫>
○自動車モデルの計測方法やその評価ポイントを事前に示し、グループのコンセプトに見合う目標点を定めやすくする。
○点数を定める際には、意図的に6項目全て満点がとれるようにならないように計算式を調整し、ジレンマを与えやすくする。
○自動車モデル製作に移る前に、全班同じ基本モデルを製作することで、作り方を共有し改善点を見つけやすくする。
<本時における工夫>
○グループ活動の際は、最初から答えを提示せず、質問の回答がある箇所を示唆する。
○グループ活動の際に、意見交換が滞っていたら、声かけによってきっかけを作る。
○役割分担の必要性を感じてもらうために、時間の制約を強くし、複数のタスクを同時に与える。
○評価による関心を高めるため、個別に独自の評価項目をひとつ加えてもらう。
この動画から学べること
○グループワークのファシリテート
声掛けについて全体とグループ単位を使い分けながらモチベートを図りつつ、グループの方向性を調整する。また、答えを提示するのではなく、生徒が自ら答えを発見できるよう支援する。
○消極的な生徒の発言の促し方
個別に状況を判断しながら、グループ内で役割を担えるような支援や、ヒントを与えて答えを引き出すためのきっかけづくりを行う。
○対話的な学びの作り方
グループでのプレゼン準備や相互評価の活動を通して、対話の中から学習の深化や関心・意欲を引き出す。
グループでのプレゼン準備や相互評価の活動を通して、対話の中から学習の深化や関心・意欲を引き出す。
○最適化を生み出す仕掛けづくり
学習課題の提示方法や評価活動に、技術の最適化を引き出すための工夫を盛り込む。
○問題解決型学習の仕組みづくり
○問題解決型学習の仕組みづくり
問題の発見・課題の設定・課題の解決・評価といった流れを生み出すための学習プロセスを紹介する。
概要
生徒たちが“のめりこむ”授業!は、題材に込められた「ジレンマ」に秘密あり!生徒をモチベートする声かけ、理解を深めるルーブリックの活用法含め、東京学芸大学附属国際中等教育学校の実践を公開します!
「こちらを立てると、あちらが立たない」
この「ジレンマ」で、生徒の主体性を引き出すのが、東京学芸大学附属国際中等教育学校・馬田先生の授業です!
「ジレンマで主体性」とは、聞きなれませんが、その秘密は、授業で扱う題材にあります。
(馬田先生談)
「今回の題材のキーポイントは、『ジレンマ』です。こちらを立てるとあちらが立たないという状況を枠組みとして設定し、その枠組みの中で、生徒が試行錯誤していく授業になっています。」
主体性を引き出すポイントに「題材」をあげ、生徒たちを授業にどう“のめりこませるか”を考えられてきた中での工夫。
特に、授業の題材の設定として、ただ知識やスキルが必要だ、という難しさではなく、
いかに与えられた条件内でやりくりし、最適解を導き出せるかに重きを置いている点がポイントです。
扱う題材として、こんな切り口・考え方もあるのかと、改めて視野を広げさせてくれます。
以下ポイントも踏まえ、関心のあるトピックからぜひご覧ください!
【学べるポイント】
・生徒を主体的にする題材のジレンマ
・生徒をモチベートする具体的な声かけ
・ルーブリックを使った授業の流れ、評価の仕方
・生徒自身に観点(評価ポイント)を設定させ、
学びを深める「ひと工夫」 など
<今日の授業の感想>
馬田 大輔先生(以下、馬田) やはり、授業としては、子どもたちが楽しそうなことが一番嬉しいことです。今日は、子どもたちの中に「自分の作ったモデルがどうだったんだろう?」「他の班、どんなもの作ったのかな?」という姿勢、つまり、子どもたちの主体的な部分がしっかり見てとれたので、個人的にはとても嬉しく思いました。
<生徒の主体性を引き出すために行った働きかけは?>
馬田 そのような働きかけは、あまりしていません。主体性を引き出すための工夫は、題材そのものにもなってくると思います。どうすれば生徒たちがのめり込んでやってくれるだろうか、というところはずっと考えていて、その結果が主体性に結びついてくると思っています。
今回の題材のキーポイントは、「ジレンマ」です。こちらを立てるとあちらが立たな...
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