概要
震災遺構の保存派と撤去派が両方納得する仕組みを考えよう!他チームのプレゼンを聞き、自分のチームのプロジェクト案と掛け合わせてより良い第三案を練り上げる、白熱のプロジェクト型国語授業
私立学校研究助成事業で、最優秀賞の「私学財団賞」を受賞した、宝仙学園小学校の加藤朋生先生の新しい実践を取材しました。
テーマは「震災遺構」。このテーマに至ったのは、「未来がより良くあるために」という単元の中で、原爆ドームについて学んだことがきっかけでした。現代でも残した方がいいものや撤去した方がいいものがあるのではないかと子どもたちが考え進める中で、東日本大震災の震災遺構(震災によって壊れた建物など、被災の記憶や教訓を後世に伝える構造物)について議論が発展していったそうです。
震災遺構は、今もなお、保存派、撤去派と色々な意見があり、議論がされています。
授業では、保存か撤去かという2者択一ではなく、未来がよりよくあるための第三のアイデアを出し合い、チームに分かれて具体的なプロジェクトとして考えを深めていきました。
今回の授業では、一つのチームのメンバーが一人ずつ他のチームに派遣され、プロジェクトの内容をプレゼンテーション。共感できる点、課題点を出し合い、他のチームのプロジェクト案と掛け合わせてより良い案を練り上げていきました。
他チームのプレゼンテーションを聞き終わると、湧き出るようにアイデアが溢れ、議論は白熱。「人件費はどうするの?」「募金で本当にまかなえる?」と、鋭い質問も飛び出します!さらに、自由にiPadを駆使して関連情報を調べながら、出てきたアイデアを補強し、発展させていく様子は、大人顔負けです。
議論がスムーズに深まっていく授業の組み立てや、先生の声かけにもぜひご注目ください。
【授業映像】
<6.自分たちのプロジェクトと掛け合わせよう>
加藤 朋生先生(以下、加藤) やはり、皆さん目を落としてみると、いいなと思うところもあるけど、もちろん課題も感じているという人がいるわけだ。でも、大切にしてほしいのは、このツアーの人たちのビジョンです。これ、なんだったかな?ということです。なんだったのでしょうか?覚えていますか?この人たちはこういうことを考えていたのです。
震災遺構のある土地が、「潤いながら震災が語り継がれること」、これをビジョンにしてい...
テキストの続きを読むにはプランのアップグレードが必要です。
さらに表示する