川合 正先生 今は保護者にも様々な子育てスタイルがあります。昔のように、お母さんが働きながら、本当に堂々と子どもを育てていったという時代ではなくて、核家族が中心になって、子どもも親も大変な思いをしているということが言われます。

母性というものは、本当に温かくて、安全を与えるもので、安心感を伴っています。下図を見てみてください。ベクトルで言うと、縦の軸に母性を取っています。横軸には、父親の持つ「父性」というのがあります。父親は厳しいものです。そして、社会性を家庭に吹き込んでくれます。また、規範というもの、やってはいけないことを父親はしっかりと示すわけです。

この母性と父性があってこそ、子どもは健全に育っていくわけです。ちなみに、母性がお母さんじゃなくておばあちゃんでもいいですし、父性がお母さんでもいいわけです。家庭での立場に関わらず、誰かが母性を、誰かが父性をという、優しさと厳しさを両立させること...